
地面にとどきそうな見事な安養寺の枝垂櫻
96/4/27 長野県波田町/樹齢200年 |
願はくは花のしたにて春死なん
そのきさらぎの望月のころ
これは櫻をこよなく愛した西行の歌であるが、日本人は古来より櫻の花をめでてきた。
春、櫻の花が咲く頃になるとそわそわして落ち着かないのは、今でも変わらない。
櫻と言えばソメイヨシノであるが、ソメイヨシノの寿命は50年ほどである。
樹齢100年を越える櫻の古木は、枝垂櫻や江戸彼岸櫻などに限られる。
古木は満開の時期が不安定である。
近くにある櫻の場合は、頻繁に問い合わせ、満開の時期に出かけることは可能であるが、
遠隔地にある櫻の場合にはそうはゆかない。満開の時期よりも早かったり、逆にすでに
散っていたりして、櫻の撮影は苦労が多い割には成果が少ない。それが櫻撮影の楽しさ
おもしろさでもあろう。
あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音あしおと空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳かげりなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍みどりにうるほひ
廁々ひさしひさしに
風鐸のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甃いしのうえ
三好達治「甃のうえ」 |