芭蕉が見た風景 羽黒山 1689年6月3日
(陽暦7月19日)
2001/5/31 2004/4/27
CAMEDIA E-100RS

 六月三日、羽黒山に登る。図司左吉と云者を尋て、別当代会覚阿闍利に謁す。南谷の別院に舎して憐愍の
情こまやかにあるじせらる。四日、本坊にをゐて誹諧興行。


  有難や雪をかほらす南谷

 五日、権現に詣。当山開闢能除大師はいづれの代の人と云事をしらず。延喜式に羽州里山の神社と有。書
写、黒の字を里山となせるにや。羽州黒山を中略して羽黒山と云にや。出羽といへるも鳥の毛羽を此国の貢
に献ると風土記に侍とやらん。月山湯殿を合て三山とす。当寺武江東叡に属して天台止観の月明らかに、円
頓融通の法の灯かゝげそひて、僧坊棟をならべ、修験行法を励し、霊山霊地の験効、人貴且恐る。繁栄長に
してめで度御山と謂つべし。

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樹齢約1000年の爺杉と室町初期(1400年頃)
建造の国宝五重塔。芭蕉は見ただろうか。

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礎石らしい石が転がる南谷別院跡。1818年建立
の句碑が立っていた。芭蕉は、ここに7泊して
羽黒山、月山、湯殿山へ参拝した。

隋神門近くの駐車場から歩く。雨のため人通りはほとん
どない。祓川橋を渡ると一の坂。その直前に、爺杉と五
重塔がある。表参道は片道約1.7km、2446段の
長い石段がある。

二の坂を登ったところに茶店があり、石段の踏破認定証
を発行してくれる。茶店の名物は力もち、ここは眺めも
よく、茶店の奥さんたちと世間話をしながら、一休み。

南谷は、三の坂の手前から右折し約500m。
芭蕉がお
とずれた頃に思いをはせながら、静かな空間にしばしわ
が身をゆだねる。

三の坂を上り切ると、三神合祭殿の境内。芭蕉像と三山
句碑が立っている。すぐ近くに、出羽三山歴史博物館が
あり、芭蕉が南谷別院でしたためた書(県指定)が展示さ
れていた。

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樹齢約350〜500年の杉が400本以上ある。
芭蕉がおとずれたのは約300年前であるから、
当時の樹齢は約50〜200年だったことになる。

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杉並木の参道の途中にある茶店


羽黒山の出羽三山神社。

10年ぶりに羽黒山をたずねた。境内には芭蕉像とそのそばに三山句碑が建てられ、
南谷には説明板や石碑が設置され池が復元されていた。2014/10/7




  凉しさやほの三日月の羽黒山
  加多羅礼努湯登廼仁奴良須當毛東迦那
  雲の峯いくつくつれて月の山







参道の丁石。最近設置されたものだろうか。


南谷の句碑は一段と苔むしていた。

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