芭蕉が見た風景 色の浜 1689年8月16日
(陽暦9月29日)
2003.5.19取材
CAMEDIA E-100RS

十六日、空霽たれば、ますほの小貝ひろはんと、種の浜に舟を走す。海上七里あり。天屋何某と云もの、破籠・小竹筒など、こまやかにしたゝめさせ、僕あまた舟にとりのせて、追風時のまに吹着ぬ。浜はわづかなる海士の小家にて、侘しき法花寺あり。爰に茶を飲、酒をあたゝめて、夕ぐれのさびしさ感に堪へたり。

  寂しさや須磨にかちたる浜の秋

  波の間や小貝にまじる萩の塵

其日のあらまし、等栽に筆をとらせて寺に残す。

 
  常宮神社の門の下にあった貝殻。
 芭蕉の小貝の句にちなんで置いたものか?


色の浜は今でも美しい浜辺。むこうに見えるのは水島。
    


侘しき法花寺・本隆寺の句碑。
衣着て小貝拾わんいろの月


常宮神社の「月清し」の句碑。1822年の
建造で、字はほとんど風化していて読めない。
月清し遊行のもてる砂の上


大きなスダジイの木がある西福寺の真新しい奥の細道記念碑。
曽良はこの寺をたずねているが、山中温泉で曽良と別れた芭
蕉が立ち寄ったという記録はない。山中温泉で曽良と別れず
に同行していたら、ここで句を残していたかもしれない。


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