芭蕉が見た風景 千住・草加   1689年3月27日
 (新暦5月16日)
02.9.23取材
CAMEDIA E-100RS


 千じゆと云所にて船をあがれば、
前途三千里のおもひ胸にふさがり
て、幻のちまたに離別の泪をそゝ
ぐ。

  行春や鳥啼魚の目は泪

 是を矢立の初として、行道なを
すゝまず。人々は途中に立ならび
て、後かげのみゆる迄はと見送な
るべし。


 ことし元禄二とせにや、奥羽長
途の行脚只かりそめに思ひたちて、
呉天に白髪の恨を重ぬといへ共、
耳にふれていまだめに見ぬさかひ、
若生て帰らばと、定なき頼の末を
かけ、其日漸早加と云宿にたどり
着にけり。痩骨の肩にかゝれる物、
先くるしむ。只身すがらにと出立
侍を、帋子一衣は夜の防ぎ、ゆか
た・雨具・墨筆のたぐひ、あるは
さりがたき餞などしたるは、さす
がに打捨がたくて、路次の煩とな
れるこそわりなけれ。


千住や草加は、今では大都会の雑踏
の中にある。しかし、大通りから少
しはずれれば、芭蕉をしのぶにふさ
わしい空間が残っている。草加松原
を歩いていると、ここでは芭蕉がま
だ生きているようで、うれしかった。

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芭蕉が隅田川をさかのぼり
上陸したのが千住大橋付近

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日本の道百選・日光街道草加松原に立つ松尾芭
蕉文学碑。ことし元禄二とせにやの一節が。

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千住大橋南のすさのお神社境内の
句碑、文政3年(1820)建立。

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車道をまたいで作られたアーチ型の百代橋。
草加松原の北端に近い所に架かっている。

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松原の南端
札場河岸公園に建つ芭蕉像。

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