シネマ紀行
 RAILWAYS 49歳で電車の運転手になった男の物語
 島根県出雲市
   
  201 0年 松竹 130分
[監督]
錦織良成
[脚本]錦織良成 ブラジリィー・アン・山田 小林弘利
[撮影]柳田裕男

[音楽]吉村龍太
[出演]
中井貴一、高島礼子、本仮屋ユイカ、三浦貴大、奈良岡朋子、橋爪功、遠藤憲一ほか

大手家電メーカーに勤める筒井肇(中井貴一)は、がむしゃらにサラリーマン生活を送って来た。
妻の由紀子(高島礼子)は開店したばかりのハーブの店で忙しく、娘の倖(本仮屋ユイカ)は、仕事のことしか考えていない父親に反発していた。

そんな時、故郷島根で一人で暮らす母親(奈良岡朋子)が倒れたとの知らせが入る。
追い打ちをかけるように、同期の親友(遠藤憲一)が事故死をする。
久しぶりに帰省した肇は、仕事に追われ、家族を気遣うことがなかった自分を顧みる。
そして、子供の頃夢見ていたバタデンの運転士になる事を決意する。


ロケ地は、ストーリー順ではなく一畑電鉄の西の終点・出雲大社前駅から東へ順に掲載した。 関連サイト鉄道セレクション/一畑電鉄
   
出雲大社前駅 2013/2/27

酔っ払って乗り過ごした乗客を肇が世話をするシーンなどが撮影された。
 

雲州平田駅 2013/2/26-27

数多くのシーンが撮影された雲州平田駅を西側の寺町踏切から見る。
線路は左から1番線・2番線・3番線。1番線ホームから2・3番線ホームへは地下道と通ってゆく。
奥の建物は検査場や洗車場。右手奥にはデハ二50形が保存されていて、体験運転が出来る。
    

肩を壊してプロ野球選手への夢を断たれた同僚の新人運転手・宮田(三浦貴大)は心を閉ざしていた。検査のときの足場のようなものの上に座り、肇は宮田にやさしく話しかける。

雲州平田駅1番線ホーム。運転席を離れたときに子供が電車を動かしたことに責任を感じた肇は辞表を出すが、肇に親切にされた乗客たちが「辞めないで」と集まってくる。

布崎変電所 2013/2/27

一畑電鉄の運転司令室での運転指令(石井正則)と肇たちとのやりとりや列車を監視する様子がとてもおもしろかった。

運転司令室としてロケされたのは、布崎駅近くにある一畑電鉄布崎変電所。立入禁止なので内部を見ることはできなかった。

なお、この建物は
昭和2年(1927)建造で国指定の登録有形文化財。

一畑口駅 2006/2/19  2013/2/27

    
ラストシーンが撮影されたのが一畑口駅。

東京で別居生活をしている由紀子がお互いの気持ちを確かめるため、東京からやって来てホームで肇に話しかける。

「このまま私たち夫婦でいいんだよね」
「当たり前だ。・・・由紀子、終点までちゃんと乗ってってくれよな」
「はい」

伊野灘駅
 2013/2/27
この映画の中心的なロケ地。肇の実家への最寄り駅。
 
肇と倖は駅からの階段を下り、小さな川にかかる板橋を渡る。ここで、肇の同級生で漁師の西田(中本賢)に出会う。
このふたつの場所を鉄道写真としてつなげてみるとこんな感じになる。
春になれば、土手は緑になり、駅舎のそばの桜も咲いて、華やかになるだろう。

   
 
肇は、駅のベンチに座り、自分の進路について考える。主要なロケ地にはポスターが掲示されているが、ここの駅舎内にもあった。
    
 
肇の実家としてロケされたのは、伊野灘駅から東へ徒歩10分弱のところにある製茶業を営む民家。民家に近づくと香ばしいお茶の香りがしていた。
ロケ当時の野菜畑にはビニールハウスがたっていた。少し離れたところからそっと撮影した。

電車の運転手になった肇と夏休みで帰ってきた倖が、縁側に座ってスイカを食べながら話をする。
「お父さん、まだ年寄りじゃないね」
「どういう意味?」
「年をとると変われなくなるんだって、トヨジィが言ってた」
「お父さん、変わったのか?」
「あせることないとか言ってるし、自分で弁当作ってるし」
「そうだな。・・・ゆっくりでいい、前に進んでればそれでいい」