シネマ紀行
 STATION
 北海道銭函/雄冬/増毛 2006年5月28-30日取材  *istD

  1981年 東宝 132分
[監督]
降旗康男
[原作]倉本聡
[脚本]
倉本聡
[撮影]
木村大作
[音楽]
宇崎竜童
[出演]
高倉健、いしだあゆみ、大滝秀治、古手川祐子、小松政夫、烏丸せつこ、根津甚八、宇崎竜童、倍賞千恵子、室田日出男


--1967年1月 直子-- その日、警察官の英次(高倉健)は雪の降り続く銭函駅ホームで、妻の直子(いしだあゆみ)と、四歳になる息子義高に別れを告げる。離婚を承諾した直子は、動き出した汽車の中で、英次に笑って敬礼するが、その目には涙が溢れていた。苛酷な仕事と、オリンピックの射撃選手に選ばれ合宿生活が続いていたことも原因であった。その頃、英次の上司、相馬(大滝秀治)が連続警察官射殺犯“指名22号"に射殺される。

--1976年6月 すず子-- 英次の妹(古手川祐子)、冬子が、愛する義二(小松政夫)とではなく、伯父の勧めた見合の相手と結婚した。英次は、妹の心にとまどいを覚え、義二は結婚式の夜に荒れた。その頃、英次は、赤いミニスカートの女だけを狙う通り魔を追っていた。増毛駅前の風侍食堂につとめる吉松すず子(烏丸せつこ)の兄、五郎(根津甚八)が犯人として浮かんだ。

すず子はチンピラの雪夫(
宇崎竜童)の子を堕すが、彼を好きだった。しかし、雪夫にとって、すず子は欲望のハケロでしかなく、英次が警察官と知ると協力を申し出た。雪夫は結婚を口実にすず子を口説いた。すず子は、刑事たちの張り込みに気づいていながらも、愛する雪夫を兄に会わせたくて、隠れている町へ案内した。そして、英次の前に吉松が現れたとき、すず子の悲鳴がこだました。

-1979年12月 桐子-- 英次は故郷の雄冬に帰ろうと、連絡船の出る増毛駅に降りた。風待食堂では相変らず、すず子が働いていた。雪夫は結婚したらしく、妻と子を連れてすず子の前を通り過ぎて行く。船の欠航で所在ない英次は、赤提灯「桐子」に入った。女手一つで切り盛りする桐子(倍賞千恵子)の店だが、客は誰もいない。自分と同じく孤独の影を背負う桐子に、いつしか惹かれる英次。大晦日、二人は留萌で映画を観た。肩を寄せ合って歩く二人が結ばれるのに時間はかからなかった。

英次は、初詣の道陰で桐子を見つめる一人の男(室田日出男)に気づく。やがて、“指名22号"のタレ込みがあり、英次は増毛に戻る。手配写真と、桐子を見つめていた男の顔が英次の頭の中でダブル。そして、桐子のアパートで22号は、英次に撃たれる。警察に通報しながら22号をかくまっていた桐子。札幌に戻る前、英次は桐子を訪ねる。英次に背を向け「舟唄」を聞き入る彼女の顔に涙が流れている。 〜goo映画より引用


 

●銭函駅
この映画は、雪の銭函駅から始まる。

駅舎の反対側から見た1番線ホーム。

直子は、このホームから札幌方面の列車に乗る。

昭和6年(1931)建造のレトロな駅舎。
映画では名古屋章が扮する人物の説明がされていないが、直子のおじさんだろうか。銭函駅のホームで列車を待つ間、英次にさとすように話しかける。

やりなおせないのか。
あいつはもう十分苦しんだんだ。
たった1回の過ちじゃねえか、忘れてやる訳には行かねえのか。


英次は無言で、硬い表情をしている。

やがて、列車が入って来る。
当時の列車は電気機関車が引く客車列車で、動き出したデッキで泣き顔で敬礼する直子の姿が印象的だった。
   
●雄冬
英次は妹の結婚式に出席するため船で雄冬へ向かう。雄冬航路は1日1往復、約2時間かかった。国道が雄冬まで開通したのが1981年11月、同年12月に雄冬岬トンネルで崩落事故が発生し、1984年5月まで不通となった。国道が開通しても冬場は雪に閉ざされ、通年供用可能となったのは1992年で、この年に雄冬航路は廃止された。今は増毛から雄冬まで車で約20分。

雄冬港。

妹の結婚式が行われた雄冬神社。
   
●増毛
この映画の舞台の中心になるのが増毛駅前。英次やすず子が乗り降りする増毛駅、張り込みに使われる日通増毛支店を使った増毛ホテル、多田商店を使った風待食堂。残念ながら、日通増毛支店は1997年頃取り壊されて空き地になっていた。

留萌本線増毛駅。無人の終着駅で、ひっそりとしていた。

増毛駅構内。8時〜13時の5時間、列車は来ない。

多田商店は雑貨屋さんで、観光案内所でもある。店内には、ロケ
のときのパネル写真が飾られている。

増毛では駅前以外でもロケされているが場所の特定が困難。
桐子の自宅はここではないかと思う。