廃墟の風景

英彦山座主院跡ひこさんざすいんあと

2015/7/3
PENTAX  K-7/16-45

岩壁に大きな穴が二つ空いた双戸窟(そうとくつ、別名どくろ岩)を見たいと思った。

地図を見ると、何度か通った四王寺滝や梵字岩へ行く道の途中、
英彦山神宮奉幣殿から約500mのところにある九大生物学実験所への分岐付近から行けそうだった。

分岐の少し先に右へ下る道があり、すぐ先に江戸期や明治期の銘が入った墓石が並んでいた。
双戸窟への標識はなく、道なりに進んで行くと、見事な石垣が残る異空間に迷い込んだ。

あとで調べてみると、そこは英彦山座主院跡で、昭和11年(1936)に九大生物学実験所が設置されたという。

英彦山座主は英彦山を治めるトップで、英彦山座主院は広大な屋敷だったという。
現在残っている石段や石垣がいつごろ建造されたものなのかは不明。

道が間違っていることに気づき引き返したが、双戸窟への道は分からなかった。


九大生物学実験所への分岐近くにある墓所。
英彦山座主・高千穂家の墓所だそうだ。


苔むした木橋を渡る。
ここは杉林の中、あまり日が当たらず、湿気が多いのだろう。


石垣を築いたあとに、石垣の中から杉が芽吹いたと考えられるから、杉の樹齢がわかれば石垣の建造年が分かる。


石段と石垣、美しい風景である。聞こえるのは鳥の鳴き声だけ、時折こちらの気配に反応して鹿が逃げて行く。


木の成長に伴い石垣が崩壊しつつあり、やがて崩壊するだろう。

廃墟の風景