廃墟の風景

人間魚雷「回天」大神基地跡

2013/8/9・17
EOS 5D
ひじ町観光情報サイト・ひじナビ
人間魚雷回天大神基地(YouTube) 1/2  2/2
    
2012年8月に山口県周南市大津島の人間魚雷「回天」基地跡をたずねた。そして今回、大分県日出町大神の人間魚雷「回天」基地跡をたずねた。
気温36度を超える猛暑日で、集中力を欠いて十分に探訪できなかった。

大神基地は、深江の入江を底辺とし、約600mと約800mを2辺とする三角形の中にあった。
今はほとんど畑や宅地となり、当時の遺構はわずかである。

大神基地は、戦況が悪化した昭和19年(1944)に建設が着手され、翌昭和20年(1945)年4月に基地が開設された。
同年8月3日に8基が出港したが、出撃することなく終戦を迎えた。
大神基地には整備士など約2000名が配属され、273名の搭乗員が訓練を受けていたというが、出撃による戦死者が出なかったのは幸いである。


この入江から別府湾へ出て操縦訓練が行われた。手前は車エビ養殖場、その先の木が立ち並んでいる所が住吉ふれあい公園。
    

深江の入江の奥から見る。正面の小高い岩山を穿って、回天の格納壕を
造った。岩山の上には回天神社がある。

深江には、日本で唯一現存する殿様の風待ち茶屋「襟江邸(きんこうてい)」がある。日出藩が寛文7年(1667)に建造したもの。
   
■酸素圧縮ポンプ室
回天に搭載する圧縮酸素を調整するポンプ室。
    

崖に掘られた横穴の中にコンクリートの台が残っている。

調整ポンプ室跡左手の坂道を登ってゆくと回天神社があり、回天3分の1の模型が展示されている。

本物は長さ14.75m、直径1.00m、重量8.3t。
中央に操縦席があり、頭部に爆薬が充填され、前後の空間はほとんどが酸素室。
   
■回天格納壕(水雷壕)
岩山を穿って造られている。ここから300mくらい離れた発射台へレールで運んだ。発射台付近は住吉ふれあい公園になっていて遺構はない。
    
   
■魚雷調整プール
酸素圧縮ポンプ室のすぐ近くにあり、看板が出ている。
    

回天をこのプールに沈めて、水漏れなどを確認した。

近くに真新しい記念碑があった。
   
■各科倉庫壕
看板がまったくない。地図を見ると車エビ養殖池が3つあり、その南側を小さな川が流れている。
川沿いに草道があり、そこを進んでゆくと、右手に倉庫群と変電所がある。
    
    

コンクリートで固められていないのでトンネルのように見える。倉庫として使われていた壕と思われるが、防空壕の跡かもしれない。
土の色と周りの緑が調和してとても美しさを感じる。近づいてみると中から冷気が出ていて、しばし汗が引く思いだった。
ほかにもう1か所、コンクリートで固められていない壕があった。
   
■変電所
変電所は、コンクリート製のコの字型の壕が残っているというが、ここはコの字の下の部分の入口と思われる。中の設備などは残っていない。
ここから先は草深くて進めず、コの字の上の部分の入口を見ることはできなかったし、穴の中に入って確かめる度胸がなかった。
したがって、ここが変電所なのかどうかは不確かである。

   
■燃料格納壕
住吉ふれあい公園の前の道を通り過ぎ、200mほど進むと左に看板がある。坂道の途中に壕が残っている。
    

壕の中には水が溜まっていた。

壕の前で飛んでいたアゲハ蝶。
壕からは冷気が出ていて、ここには水もあるので、蝶にとってはすごしやすい環境なのだろう。

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