廃墟の風景

国東の旧隧道


 

国東半島は隧道が多い。道路の改修が進み年々走りやすくなった。
道路の改修を行う場合、従来の隧道を開削するか、従来の隧道の近くに新しく隧道を設ける。
旧い隧道はそのまま残っている場合が多いが、交通量は少なく、やがて老朽化によって廃道となる。

第一倉谷隧道(塔ノ御堂隧道) 明治4 1年(1908)開設、94m 2014/6/8 PENTAX *istD
豊後高田市の北部中核団地の南方に、県道34号線から桂川を渡ってほぼ真東に伸びる市道がある。
県道34号線から東へ約2km、小田原と地図に書かれたあたりに、市道から北へトンネルが書かれている。
市道と北にある林道を結ぶための隧道であるが、入口付近には柵があり、「崩落の恐れがあるため全面通行禁止」の看板が立てかけてあった。
反対側も見たいので、300mくらい西に戻ったところから歩いた。10分ほどで北口に着いた。
2012年版のカーナビに入っていたので旧隧道として掲載したが、ほぼ廃道だった。

 
南の市道から見る。ここから少し東に行ったところに第2倉谷隧道があったが、市道を改修する際に開削されたようだ。

 
北の林道から見る。素彫りにコンクリートを吹き付けている。湿気が多いのか、入口付近の壁はコケにおおわれていた。
ここへ来る前にカーナビに隧道の北をセットした所、カーナビは隧道の中を通るルートを選んだ。通行止めでなければ普通車までは通れそうだ。

津頭しょうずがしら隧道(1954年,98m)-かんだや隧道(1955年,197m)-牛迫隧道(1953年,142m) 2014/6/8 PENTAX *istD
豊後高田市香々地町、国道213号線の松津(しょうず)トンネルのすぐ先で右に分岐する道がある。そこに、3本の隧道が連続している。
明治時代末期に竣工したものを、昭和28年から30年にかけて改修したものである。
撮影のために30分ほどここにいたが、車は1台も通らなかった。

松津頭隧道西口。隧道越しにかんだや隧道が見えている。中央部は素彫りにコンクリートの吹き付けで、竣工当時の面影を残している。


かんだや隧道西口。


かんだや隧道東口。



         


中央部は素彫りにコンクリート吹き付けが残っている。


牛迫隧道東口。コンクリートの吹き付け面がなめらかであるが、天井に大きなくぼみがあった。

■見取みどり隧道(建造年不明,34m)-貴船きぶね隧道(1962年,55m)-塩屋隧道(1954年,29m) 2015/5/2 EOS 5D
豊後高田市香々地町、国道213号線長崎鼻キャンプ場入口バス停付近から北の宮岬付近にかけて3本の旧隧道がある。

見取隧道は、国道213号線と交差する市道にある。ここを車が通行することはほんんどないだろうと思われる。

見取隧道東口。すぐ手前は国道213号線。大きな岩盤を掘削して隧道が造られている。この上に神社があり、左上に鳥居が見える。


隧道内から東口を見る。


西口。

貴船隧道は、見取隧道から300mほど北へ、別宮八幡社近くにある。

この道路は旧国道で、岩の尾根を掘削して隧道が造られている。


西口。


東口。

塩屋隧道は、貴船隧道からさらに北へ400mほどのところ。竹田川の河口と香々地漁港の間、岩尾根の先端部にあり、宮岬はすぐ。

東口。

西口。

竹田津隧道
  昭和34年(1958)開設、389m 2014/6/8 PENTAX *istD
国道213号線新竹田津トンネルの500mくらい南にある。
この隧道は2代目で、初代竹田津隧道は新竹田津トンネルの上にあった


西口。


内部はかなり傷んできているが、現在のところ通行に支障はない。

箕ヶ岩みのがいわ
隧道  昭和10年(1935)開設、17m 2014/6/8 PENTAX *istD
竹田津港の南、国道213号線から分岐する道に小さな隧道があり、国道から見える。
明治26年(1891)に竣工した隧道が東口に残っている。現在の隧道は明治隧道のすぐ北を通っている。


西口。


明治隧道。反対側はコンクリートで閉塞されている。

妙見
隧道  昭和9年(1934)開設 2014/6/8 PENTAX *istD
箕ヶ岩隧道から東へ800mほど、国見トンネル手前で右に分岐する道があり、その先に妙見隧道が見える。


旧千灯寺方面へのショートカットになっているので、何度か車で通ったことがある。
逆に旧千灯寺方面から来ると国道とY字交差するが、国道との合流地点は一時停止となっていて、以前は交通取締りが行われていたが今はどうか。


東口。隧道の中央部は素彫りが残されている。よく利用されている現役の隧道であり、旧(廃)道に掲載するのは少し気が引けた。

水ヶ元
隧道  明治40年(1907)開設、284m 2014/6/8 PENTAX *istD
道の駅をすぎ、北岸を走っていた国道213号線が東岸へ方向を変えるあたりに水ヶ元トンネルがある。水ヶ元隧道はそのすぐ北にある。


西口。


東口。中央は素彫りが残り、下半分の崩落が進んでいる。

松ヶ尾
隧道  昭和27年(1952)開設、372m 2014/6/8 PENTAX *istD
国道213号線の松ヶ尾トンネルのすぐ南にあるのが松ヶ尾隧道。
車で走り抜けるのをためらわせるような雰囲気の隧道で、通行量はほとんどないのではないだろうか。


左が松ヶ尾トンネル、右が松ヶ尾隧道西口。


隧道の中から東口を見る。少し不気味な雰囲気がある。
            

東口付近の道標。小熊毛への分岐点にある。
右旧道 左新道 熊毛村


最近では見かけないタイプの速度制限標識。
 
 道路記念碑。昭和27年当時のものと思われる。
         

啝ノ浦なぎのうら隧道  建造年不明、65m 2015/5/2 K-7
国道の松ヶ尾トンネルをすぎて約1km、県道を北へ約1.5km、トンネルをくぐり海岸沿いに市道を約1km。市道のすぐ北に旧隧道がある。


東口。


内部。


西口


旧隧道を残したまま、岩尾根を開削して市道が通されている。

藤ノ木
隧道  明治35年(1902)開設、昭和11年(1936)改修、202m 2014/6/8 PENTAX *istD
国道の藤ノ木トンネルのすぐ北東にある。路面はでこぼこで、中は資材置き場になっていた。
東口は草茫々で、東口と西口ではまったく印象が違う。入口は閉鎖されてはいないが、廃隧道と言っていいだろう。


西口は古道の雰囲気がただよっている。


西口の扁額。藤ノ木隧道 昭和十一年一月成


東口。左は国道の藤ノ木トンネル。

納屋
隧道  明治40年(1907)開設、162m 2014/6/8 PENTAX *istD
国道の納屋トンネルのすぐ東にある。改修は施されているだろうが、開設当時の面影を残した隧道である。
落石はなく路面状態も良好で通行可能であるが、東口のコンクリートの劣化が進んでいる。



西口。内部は素彫りにコンクリート吹き付け。


東口は改修されたものであろうが、壁の造形が神殿風でしゃれている。

岩角
隧道  大正10年(1921)開設、31m 2014/6/8 PENTAX *istD
海岸沿いから内陸部へ入る。文殊仙寺付近、山口池から南への市道にある。


北口。


南口。

大谷
隧道  大正6年(1917)開設、98m 2014/6/8 PENTAX *istD
国東市国東町国東町の寺山公民館付近の十字路を南へ進むとすぐに大谷隧道がある。
隧道をぬけた先に「割石地蔵尊」があり、近くには迂回路はなく現役の隧道である。


北口。


中央部はコンクリートの吹き付け。

赤松
隧道  昭和8年(1933)開設、50m 2014/6/8 PENTAX *istD
県道29号豊後高田国東線の国東市国東町岩屋から赤松へむかう市道があり、古藤池から南へ300mくらい進むと赤松隧道。


北口は素彫りにコンクリート吹き付け。


南口は堂々としたコンクリート造り。

掛樋(かけひ)
隧道  明治40年(1907)開設、25m 2014/6/8 PENTAX *istD
県道34号豊後高田安岐線の国東市安岐町掛樋に、県道から分岐して安岐川を北へ迂回する市道がある。
県道から北へ200mほどのところに掛樋隧道がある。行ってみると、県道からの入口に「通行止め」の看板が出ていた。
隧道は崩落などがなく通行に支障はないように見えたが、壁面にひび割れなどが発生しているのかもしれない。
あまり利用されているようには見えないし、反対側からも容易に接近できるので、近いうちに閉鎖される可能性がある。




北口。中は素彫りにコンクリート吹き付け。


南口。水路が通っている。

横城
隧道  建造年不明、10m 2015/2/1 EOS 5D
杵築市横城にある小さな隧道。国道213号線から北西へ、道路地図に載っている東光寺をめざす。
2kmほど進むと左手に東光寺入口の標識がある。ここを通り過ぎ100mほど進むと三叉路となる。左へさらに50mほど進むと隧道に着く。
筆者は三叉路に車を置いて隧道まで歩いた。


三叉路から見る。左手は採石場跡のようで、右手の道を下る。


南側入口。木におおわれた暗がりの下に隧道があった。


大きな岩をくり抜いている。


北側入口。


一番上から土や石が今にも落ちてきそうだった。


ノミ跡がくっきり残っている。

東光寺は石仏の撮影で1998年8月にたずねている。すぐ近くまで来たので立ち寄ってみた。
 

廃墟の風景