石畳道を歩く

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千林尼石畳道    
    
千林尼は西岐波の生まれで、若くして仏門に入り、天保11年(1840)頃に常盤池のほとりに庵を構えた。安政4年(1857)に船木逢坂(あいさか)の観音堂の堂主となり、近隣の道路改修や架橋などに力を注いだ。明治2年吉部田の玉泉庵で亡くなった。

この道は元禄年間に勘場(今の役所) が置かれていた船木と厚東棚井を結ぶ主要な道路で、勘場に集められた米や農産物を、棚井にあった厚東川の船着場に運送する経路でもあった。

峠越えの険しい山道で、人馬の運行が困難であったが、千林尼が托鉢をして浄財を集め、慶応年間に石畳を造成した。

現在、山田・棚井間約1640mの山道に総延長約200mの石畳が残っている。道路には「お駒堤」「醴泉(れいせん)」「道祖神」があり、郷土の先人の業績を偲ぶ「歴史の道」として貴重な道である。


           千林尼棚井山田石畳道の説明板(宇部市教育委員会)より引用


棚井山田石畳道の山田側入口。

千林尼の石畳は3か所に残っている。
 逢坂(あいさか)石畳
 大休指月(たいきゅうしづき)石畳道
 棚井山田石畳道
 
 
棚井山田石畳道・第五石畳

逢坂石畳 10/9/17 PENTAX *istD

国道2号線沿いの逢坂には旧山陽道の面影が残っている。
集落の西のはずれの小高い所に逢坂観音堂がある。千林尼が堂主を務めたところで、平成15年(2003)に再建されたばかりで真新しい。観音堂から西へ100mくらい行くと鳥居があり、黒岩権現への上り坂で、かつての山陽道が残っている。
観音堂から集落の中の道を東へ少し進むと、大林尼の石畳がわずかに残っている。明治16年(1883)にはじまる道路改修で剥ぎ取られ、わずかに石畳が残っている。


逢坂観音堂の前を左(西)から右(東)へ旧山陽道が通っている。観音堂の左手には千林尼の地蔵尊と墓がある。
                                    

逢坂権現への登り口の旧山陽道。


千林尼の地蔵尊と墓。
                               

宇部市舟木大野の来迎寺の門前には、大休指月石畳道の峠にあ
ったという千林尼地蔵尊が安置されている。文久2年(1862)建立。

来迎寺の500mほど南にある瑞松庵入口には、千林尼の顕彰碑
がある。昭和10年(1935)、舟木婦人会の発起により建立された。

大休指月石畳道 10/9/17 PENTAX *istD

県道29号宇部船木線の東側の市道がある。船木ゴルフ場の西側を通る道で、最近改修されのか2車線のきれいな道である。
船木ゴルフ場から800mくらい南下すると道が狭くなり、左右に細い道が分岐している。ここから100mくらい市道を戻ったところに、
「千林尼の石畳道」という説明板がたっている。
説明板から東へ200mほど竹林を歩くと、石畳道の入口に達する。ここの石畳道は文久2年(1862)の完成で、現在残っているのは
約260m、道幅は1.5mほどである。
                                        

入口付近。左が真新しい市道、右手に説明板。

竹林の道。人が通らないのかクモの巣が多かった。


石畳道の入口には石碑があり次のように刻まれている。千林尼 人のために敷いた石 教えし道に残るあし跡
                                         

石畳道も竹林の中、石畳は落ち葉におおわれよく見えなかった。

祠のようなものがあり、ここで行き止まり。

棚井山田石畳道(宇部市指定史跡) 10/9/9 PENTAX *istD

筆者は山田側から入った。
入口は大休指月石畳道と同じ市道にある。船木ゴルフ場の南西四つ角に石畳道まで800mの標柱がたっている。ここから石畳道の入口までの途中にも標識があるので迷うことなく行ける。宇部興産専用道路をくぐった200mくらい先に山田側の入口がある。この道は地形図にも描かれている。
棚井側の入口まで写真を撮りながらゆっくりと歩いて約45分。帰りは30分かからなかった。
石畳は5か所にあり棚井側から番号が付けられている。筆者は山田側から入ったので、第五石畳→第一石畳の順に歩いた。


石畳道のはじまり第五石畳。長さ約94.95m、幅1.2〜1.45m

 
第四石畳。長さ20m、幅1.7〜2m。左は山田方向、右は棚井方向。中央の石は道祖神としてまつられている。

  
第三石畳。長さ47m、幅1.4〜2.2m。
                                              

醴泉(れいせん)。飲めば持病が治るといわれている。
雨が少ないせいか水はわずかだったが、とても冷たくておいしかった。

お駒堤。お駒という若い娘が身を投げたという。
今も美しい水をたたえていて、かつては旅人の休憩場所だった。


第二石畳。長さ8m、幅1.1m。


第一石畳。長さ23.5m、幅0.4〜0.9m。棚井側入口のすぐ近くにある。

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