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わたしは北九州の門司に住んでいる。『海峡をゆく』を
サイトに掲載するにあたって、まず関門海峡をとりあげた
い。
門司に居を構えた最大の理由は、「そこに関門海峡があ
るから」だった。わたしは、門司が好きだし、海峡の様々
な風景が好きだ。冬の朝、船の霧笛を聴きながらまどろむ
のは何とも心地よい。
この頃、五木寛之の『海峡物語』と伊集院静の『海峡』
を読んでみたいと思っている。このふたりの現代作家が海
峡の何にひかれ、海峡をどのようにとらえたのか、是非と
も知りたいと思う。
司馬遼太郎の名作に、『街道をゆく』がある。あの名作
に迫るのは無理だとしても、この『海峡をゆく』に、『街
道をゆく』の雰囲気を現代的な感覚で表現したいと思って
いる。
1999年のテーマを「海峡」に設定し、今、関門・豊
予・明石の3海峡に絞って補足取材を開始している。来島・
鳴門などは、これから本格的に取材の旅を始める。
さあ、寒風の吹きすさぶ真冬の海峡へ出かけよう。
(1999/1/12記)
←海峡ゆめタワーの上にヘールボップ彗星
97/4/7
Pentax67/105mm
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関門海峡の中ほどにある厳流島燈台のそばを巡視艇が行く。
残念ながら、厳流島燈台は2003年2月に解体されました。
95/9/9 CanonNewF1/300mm |

建築MAP北九州
TOTO出版
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[関門海峡を絶賛した二人の作家]
司馬遼太郎『街道をゆく』長州路「壇之浦付近」より抜粋
私は日本の景色のなかで馬関(下関)の急流をもっとも好む。自然というのは動いていなければならない。
伯耆大山の落葉樹の林も鳥の声が樹間をきり裂いてゆくからはじめて林であり、出雲の松江城下の晴れた
日、にわかに日照雨(そばえ)がふって白い雲が動いている。だから松江は雲がいい。
馬関海峡(ここは下関海峡というより馬関海峡とよぶほうが、潮の色までちがってくる)は、潮がはげし
くうごき、潮にさからってゆく外国の大船までが、スクリューを掻き、機関をあえがせて、人間のいとなみ
の可憐さを自然風景としてみせてくれる。
小島政二郎『関門』より抜粋
絶え間なく、大小いろんな形の船が右から左へ消え、左から右へ消えて行く間のよさ、それがみんな矢を
射るような潮の速さを語っていた。何か人生をそこに私は感じずにいられなかった。
そうした船が、夜更けに汽笛を鳴らして通るのを聞くと、一人ぼっちで暗夜を行く寂しさを訴えているよ
うな気がした。日本の最後の港に別れを告げる声のようにも思えた。
司馬遼太郎は、氏独特の、やや難解な語り口で、日本一好きな風景と述べたうえで、海峡の風景に「人間の
いとなみ」を感じとった。同様に、小島政二郎も、行き交う船に人生を感じとり、汽笛の音に思いを馳せた。
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