古寺巡礼 長命ちょうめいじ 11/5/24 K10D 古寺巡礼


近江の中でどこが一番美しいかと聞かれたら、私は長命寺のあたりと答えるであろう。

はじめて行ったのは、十年ほど前、巡礼の取材に廻っていた時で、地図をたよりに一人で歩いていた。近江八幡のはずれに日牟礼(ひむれ)八幡宮が建っている。その山の麓を東に廻って行くと、やがて葦が一面に生えた入江が現われる。

歌枕で有名な「津田の細江」で、その向うに長命寺につらなる山並みが見渡され、葦の間に白鷺が群れている景色は、桃山時代の障壁画を見るように美しい。最近は干拓がすすんで、当時の趣はいく分失われたが、それでも水郷の気分は残っており、近江だけでなく、日本の中でもこんなにきめの細かい景色は珍しいと思う。

白洲正子さんは、著書「近江山河抄」の中でこのように書いている。
長命寺は西国観音霊場三十一番札所、標高333mの長命寺山の中腹にあり、808段の石段を上る。
今は、山門の近くまで車道が通じているという。
筆者は石段を歩いた。意外に時間がかからず20分ほどで簡素な山門にたどり着いた。

                                     

参道上り口。

急勾配の石段が続く。
 

雨にぬれた桧皮葺の屋根が、暖かい陽射しを受けて水蒸気をあげていた。奥から、三重塔、本堂の観音堂、三仏堂。


観音堂下から三重塔を見る。


観音堂越しに鐘楼を見る。


ここは千手観音を本尊としている。


奥から鐘楼、護摩権現社拝殿、三仏堂。
                                 

境内からは西南方向のみ視界が開けている。琵琶湖のむこうは近江平野、正面に三上山が見える。

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