万葉の旅

阿騎野

10/3/22
PENTAX K-7,K10D


軽皇子、阿騎の野に宿ります時に、柿本朝臣人麻呂が作る歌
やすみしし 我が大君 高照らす 日の御子 神ながら 神さびせすと 太敷ふとしかす 都を置きて

こもりくの 泊瀬はつせの山は 真木立つ 荒山道を 岩が根 禁樹さへき押しなべ 坂鳥の 朝越えまして 玉かぎる 夕さり来れば
み雪降る 阿騎の大野に 旗すすき 小竹しのを押しなべ 草枕 旅宿りせす いにしへ思ひて
  柿本人麻呂 巻1−45

短歌

阿騎の野に 宿る旅人 うち靡なびき 寐も寝らめやも いにしへ思ふに  柿本人麻呂 巻1−46
阿騎の野で仮寝する旅人は、心しずかに寝むることができるだろうか。いやできはしない、昔のことが思い出されて。

ま草刈る 荒野にはあれど 黄葉もみぢばの 過ぎにし君が 形見とぞ来  柿本人麻呂 巻1−47
ま草刈る荒れ野であるが、もみじの葉が散るように亡くなった君の形見として来た。

東の 野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月かたぶきぬ  柿本人麻呂 巻1−48
東の野にかげろうが立つのが見えて、振り返ると月が西に傾いている。

日並ひなみしの 皇子の命の 馬並なめて み狩立たしし 時は来向ふ  柿本人麻呂 巻1−49
日並皇子が馬を連ねて出猟なさった時刻が今日もやって来る。
 

宇陀市大宇陀の「かぎろいの丘」。右にあるのが巻1−48の歌碑。
 


「かぎろいの丘」の巻1−45の歌碑。


阿紀神社の巻1−46の歌碑。


神楽岡神社の巻1−47の歌碑。

大宇陀地域事務所前の巻1−49の歌碑。

阿騎野人麻呂公園の柿本人麻呂像。

宇陀市榛原区篠楽の極楽寺の歌碑。

極楽寺は大宇陀から国道370号線を北上したところにあり、阿騎野とは無関係であるが、万葉歌碑があるというので立ち寄ってみた。

遠つ人 猟道かりぢの池に 住む鳥の 立ちても居ても 君をしぞ思ふ 巻12−3089
猟道(かりぢ)の池に住む鳥のように、立っていても座っていても、いつもあなたのことを思っている。


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