万葉の旅

伊良虞いらごの島

2012/10/13
K20D、EOS 7D


伊勢の国に幸(いでま)す時に、京に留まれる柿本朝臣人麻呂が作る歌
潮騒に 伊良虞の島辺(しまへ) 漕ぐ舟に 妹乗るらむか 荒き島廻(しまみ)に 
巻1−42
波が騒いでいる中、あの人は伊良虞の島あたりをゆく舟に乗っているのだろうか。荒波に揺られて島を廻る。 
伊良虞の島は、伊良湖岬の対岸に見える神島ではないかとされている。神島は三島由紀夫の『潮騒』の舞台。


伊良湖岬灯台は昭和4年(1929)の建造。ここからも、神島がよく見える。

麻続王(をみのおおきみ)、伊勢の国の伊良虞の島に流さゆる時に、人の哀傷(かな)しびて作る歌

打ち麻(そ)を 麻続の王 海人(あま)なれや 伊良虞の島の 玉藻刈ります 巻1−23

麻続王は海人なのだろうか。伊良湖の島の海藻を刈っている。

麻続王、これを聞きて感傷(かな)しびて和(こた)ふる歌

うつせみの 命を惜しみ 波に濡れ 伊良虞の島の 玉藻刈り食む 巻1−24

命が惜しいので、私は波に濡れながら、伊良虞の島の海藻を刈り取って食べている。

恋路ヶ浜から見た神島。



伊良湖岬灯台から伊良湖水道航路管制信号所へ上がる途中に、24番
の歌碑がある。23番と42番の歌碑は西浦温泉の「万葉の小径」にある。


ヒヨドリが南への渡りの季節をむかえていた。航路管制信号所付近の森の上で何度も旋回したのちに、塊となって海を渡る。