万葉の旅

松帆の浦

07.12.6-7
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松帆の浦には昔ながらの海岸がわずかに残っている。


上の写真の地点の少し西から対岸の名寸隅方向を見る。

松帆の浦で詠まれた短歌はないが、対岸の名寸隅から、松帆の浦を遠望して詠まれた長歌がある。

寸隅の 舟瀬ふなせゆ見ゆる 淡路島 松帆
朝なぎに
 玉藻刈りつつ 夕なぎに 藻塩焼きつつ
海人
あま娘子
をとめ ありとは聞けど 見に行かむ
よしのなければ ますらをの 心はなしに たわや

思ひたわみて た
もとほ  我れはぞ恋ふる 舟楫ふなかぢをなみ
笠朝臣金村かさのあそみかなむら 巻6−935

藤原定家も松帆の浦の歌をのこしている。
来ぬ人を まつ帆の浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ

金村は松帆の浦の風光に恋情を託し、定家もまた、「待つ」と「松」をかけて、恋しい人への思いを詠んでいる。