万葉の旅

三輪山

10/3/23,24
PENTAX K-7/17-70
          

額田王 近江に下る時に作る歌
味酒うまざけ 三輪の山 あをによし 奈良の山の 山の際に い隠るまで 道の隈 い積もるまでに
つばらにも 見つつ行かむを しばしばも 見放
けむ山を 心なく 雲の 隠さふべしや
 額田王 巻1−17
三輪山が奈良の山の端に隠れるまで、いくつもの道の曲がり角を過ぎるまで、ずっと見続けていたい。
それなのに無情にも雲が隠すなんて、そんなことがあっていいものでしょうか。

反歌
三輪山を しかも隠すか 雲だにも 心あらなも 隠さふべしや 額田王 巻1−18
三輪山をどうしてそんなふうに隠すのか。せめて雲だけでも情けがあってほしい。隠すなんてことがあってよいものか。


「山の辺の道」景行陵付近から三輪山を見る。三輪山の標高は463m。
道端にある歌碑は小説「天の夕顔」の著者・中河與一氏の揮毫。黒い石に彫られていて雨に濡れていたので文字が読みにくかった。
          


「山の辺の道」狭井川付近の巻1-17・18の歌碑。


卑弥呼の墓ともいわれる箸墓古墳の大池から三輪山を見る。

          

味酒うまざけ 三輪の社の 山照らす 秋の黄葉もみぢの 散らまく惜しも
長屋王 巻8−1517
神が降臨する三輪山を照らすように紅葉がしている木の葉が散るのが惜しい。

この歌碑は大神神社宝物館近くにある。
日本画家・堂本印象の揮毫。

三輪山の  山辺
真麻まそ木綿ゆふ 短木綿みじかゆふ
かくのみ故に 長くと思ひき

高市皇子 巻2−157
三輪山の山辺にある真麻の木綿は短いものだ。そのように命も短いものなのに、いつまでも長くつづく命だと思っていた。

十市皇女の死を悼んだもの。入江泰吉氏揮毫。桧原神社北にある。
          
我が衣 色どり染めむ 味酒うまざけ 三室の山は 黄葉もみぢしにけり
柿本人麻呂 巻7−1094
私の衣を染めよう。三室の山は見事に黄葉した。

「山の辺の道」平等寺の境内にある。
三室の山は三輪山のこと。
小説家、文芸評論家の林房雄氏の揮毫。