万葉の旅

薩摩の瀬戸

10/2/15
K10D

万葉集に詠まれた薩摩の瀬戸は鹿児島県阿久根市と長島との間にある海峡で、黒之瀬戸と呼ばれている。
昭和49年(1974)、黒之瀬戸大橋が開通し、車や徒歩で海峡を渡れるようになった。



最近、橋を渡った長島に「うずしおパーク」という小公園ができ、真新しい歌碑が立てられた。
宮城県の陸奥山が万葉集の北限であれば、ここは万葉集の南限である。

隼人の 薩摩の瀬戸を 雲居なす 遠くも我れは 今日見つるかも
長田 巻3−248
隼人が住むという薩摩の瀬戸を、はるか彼方に浮かぶ雲のように遠くからではあるが今日初めて見ることが出来た。

隼人の 瀬戸の巌も 鮎走る 吉野の滝に なほしかずけり
大伴旅人 巻6−960
隼人の瀬戸の大岩も、鮎が走るように泳ぐ吉野の美しい急流には及ばない。
                                      
          

長島町山門野の田尻小学校の150mくらい手前に万葉歌碑の標識があり、左へ坂道を150mほど下る。
再び標識があり石段を少し登ったところに、どこかキリスト教的なエキゾチックな形状の歌碑がある。
金文字で刻まれた歌は長田王のもので、昭和34年(1959)に建てられたものである。
          

田尻小学校は道路より少し高い位置にあり、坂道の入口には「歌碑のある学校」という御影石の碑が誇らしげに立っている。
昔ながらの門を入ると右手が運動場で、左手にいろいろな碑と並んで大伴旅人の歌碑がある。
関係者以外立入禁止などの看板はなく、訪れる人を歓迎してくれているような小学校だった。

天平宝字8年(764)、大伴家持が47歳のときに薩摩守に任命され天平神護元年(767)までの3年間在任したが、薩摩での歌はない。
当時の国府があったという薩摩川内市のJR川内駅前と川内歴史資料館裏手の「万葉の散歩道」に大伴家持の銅像が立っている。

JR川内駅前。

万葉の散歩道。すぐ後ろを九州新幹線が走っている。

万葉の散歩道には、銀杏木川という小さな川沿いに万葉植物15種と動植物を題材にした万葉歌碑15基がある。


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