万葉の旅

白崎しらさき

11/5/27
PENTAX K10D
                                 

由良町には、万葉故地が二か所ある。町の中心部から海沿いの県道を西へ、地図で神谷崎と書かれたあたりが「由良の崎」。
さらに県道を進むと、海上に白い岩山が見えてくる。これが「白崎」である。

由良の崎付近には大きな工場があるため、県道から由良の崎を見ることはできない。梶取大明神付近の工場のフェンスと資材置き場の間の細道を進むと海岸に出られるが、海岸近くの崖の崩落があるため危険な場所になっている。

妹がため 玉を拾ふと 紀伊の国の 湯羅の岬に この日暮しつ 巻 7−1220

あなたのために真珠の玉を拾おうと、思い紀の国の由良の岬に夕暮れまでいました


湯羅の崎 潮干にけらし 白神の 磯の浦廻うらみを あへて漕ぐなり 巻 7−1671

由良の崎は潮が引いただろうか、白神の磯の浦を船が難渋して漕いでいる

朝開き 漕ぎ出て我は 湯羅の崎 釣する海人
あまを 見て帰り来む 
巻 9−1670
朝明けに漕ぎ出たわたしは、由良の岬で釣りをする人を見て帰って来た
                         


蔦島付近から由良の崎の対岸を見る。

由良の崎の海辺。左に小浦崎、右に蟻島が見える。

県道に戻り、
海沿いをさらに進むと立巌岩(たてごいわ)という小さな島があり、海猫の繁殖地となっている。
このあたりから見る白崎はすばらしい。海に突き出した石灰石の岬が幻想的である。立巌岩の少し先に万葉歌碑がある。
                                 

立巌岩。左手むこうに、蟻島と由良の崎が見える。

立巌岩の上を乱舞する海猫。


大宝元年(701)辛丑の冬の十月に、太上天皇・大行天皇(持統天皇・文武天皇)、紀伊の国に幸す時の歌
白崎は 幸さきくあり待て 大船に 真楫まかぢしじ貫き またかへり見む 
巻9−1668

白崎は航海の無事を祈って待っていてほしい。
大きな船に真楫(まかじ)を付けて行くのだから、無事に帰って来たらまたこの白崎を見よう。



立巌岩付近から見た白崎。
                            


1668番の万葉歌碑。


岬には道の駅やキャンプ施設などがある。