万葉の旅

焼津(焼津辺やいづへ)

2013/4/5
EOS 7D  K20D


奈良時代の官道だった日本坂から焼津市街を見る。
朝8時半、逆光のためかすんでいてよく見えないが上方は駿河湾、折りしも新幹線が通過している。
眼下の山塊の下を、東名高速、国道1号、東海道新幹線の日本坂トンネル、東海道本線の石部トンネルが通っている。

万葉の時代、東国との行き来に使われた日本坂を歩いてみた。
麓にある花沢の集落の中ほどから法華寺まで10分、法華寺から日本坂峠まで30分。
                                       
 
川沿いの緩やかな勾配の道を進む。風情のある家並みが安らぐ。
                         
歩き始めて3分ほど、水車小屋の近くに万葉歌碑がある。

焼津辺に 我が行きしかば
駿河なる 阿倍
あへの市道いちぢ
逢ひし子らはも

春日蔵首老(かすがのくらびとおゆ) 巻3−284

焼津に私が行ったとき、
阿倍の市(現在の静岡市)への道で逢った娘たちは、
今はどうしているだろうか。


焼津と静岡とを結ぶ道、つまり日本坂峠越えの道が、奈良時代
にあったことを証明する歌である。
ほかに阿倍の田を詠った歌がある。

坂越えて 阿倍の田面たのもに 居る鶴たづ
ともしき君は 明日さえもがも

巻14−3523

                                      


法華寺の入口。左手に元禄15年(1702)の道標。
左 うつのや地蔵尊 右 日本坂府中道

天平年間創建の法華寺。
                        
                                  

峠の少し手前に道中安全の庚申塔がある。
                         

標高302mの日本坂峠。富士山と静岡市が見えるというが、富士山は雲の中、木が伸びたのか静岡市は見えなかった。