万葉の旅

山辺の御井み やまのべのみい

2017/5/19
K-5Us
                                    
山辺の御井とは、山に近いところにある聖水という意味で、山辺の御井とされる井戸または泉が数か所ある。
そのうち、奈良県山添村の毛原廃寺と奈良市都祁の都祁水分(つげみくまり)神社の御井をたずねた。
歌の内容からして、伊勢にある御井を歌ったものであろうが、この2か所は伊勢からは遠い。

和銅五年壬子の夏の四月に、長田王を伊勢の斎宮に遣はす時に、山辺の御井にして作る歌
山辺の 御井を見がてり 神風(かむかぜ)の 伊勢娘子(おとめ)ども 相見つるかも  巻1−81

山の辺の聖水を見にきたところ、伊勢の少女たちにも会うことができた。

毛原廃寺
毛原廃寺は奈良時代の大寺院跡だが、今は民家が建ち畑が耕作され寺院跡を一望することはできない。
民家の間にある金堂跡、南門跡などに礎石が残っている。金堂跡と中門跡との間に素掘りの古井戸がある。


中央にあるのが井戸、右手に石碑。

  

万葉歌碑・山辺の御井の石碑。裏には万葉仮名で歌が刻まれている。



1300年の時を超えて大きな礎石がたくさん残っている。井戸は毛原寺の飲料水だったのだろう。

都祁水分神社
奈良県には、都祁、宇陀、吉野、葛城に、水の神を祀った水分神社がある。
その水の神の恩恵を受けて、神社付近には田植えが終わったばかりの田んぼが広がっていた。


田んぼのむこうに見えるのが都祁水分神社の森。森に入るとすぐに鳥居があり、玉砂利の参道が本殿へ向かってまっすぐに続いている。
本殿の少し手前にある標識から左手へ100mほど進むと、山辺の御井に達する。


右から、山辺の御井の石碑、灯篭、歌碑が並んで、杉の木の下に泉がある。


泉のそばに立つ歌碑。泉の水はあまり澄んでいなかった。


本殿前に能舞台がある。


本殿前の狛犬は鎌倉時代の作。


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