万葉の旅

大和三山

10/3/25,27
PENTAX K-7/17-70
                                

中大兄 近江の宮に天の下知らしめす天皇 が三山の歌
香具山は 畝傍を愛しと 耳成と 相争ひき 神代より かくにあるらし
いにしへも しかにあれこそ うつせみも 妻を争ふらしき 
天智天皇 巻1−13
反歌
香具山と 耳成山と 闘ひし時 立ちて見に来し 印南いなみ国原 天智天皇 巻1−14


藤原宮跡から香具山を見る。
藤原宮は、天武天皇11年(682)から、持統天皇を経て、元明天皇が和銅4年(710)に平城京へ遷都するまで16年間の都だった。



藤原宮跡別所池西南の巻10−2289の歌碑。司馬遼太郎氏の揮毫。

藤原の 古りにし里の 秋萩は 咲きて散りにき 君待ちかねて
巻10−2289
藤原の古い都の秋萩は咲いて散ってしまいました。
あなたを待ちかねて。

                 
香具山 〜標高152m、藤原宮跡の南東にある。「天」という尊称がつけられ、山中に天岩戸神社、山麓の北には天香山神社がある。
天皇、香具山に登りて望国したまふ時の御製歌
大和には 群山むらやまあれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原は 煙立ち立つ
海原は 鴎立ち立つ うまし国ぞ 蜻蛉島あきつしま 大和の国は
 舒明天皇 巻1−2
大和にはたくさんの山々があるけれど、天の香久山に登り大和の国を見下ろすと、平野部には煙が立ちのぼり、
水面には水鳥が盛んに飛び交っている。大和の国は本当に良い国だ。

春過ぎて 夏来るらし 白栲しろたえの 衣干したり 天の香具山 持統天皇 巻1−28
春が過ぎて夏がやって来たらしい。聖なる香具山の辺りには真っ白な衣が乾してある。

ひさかたの 天の香具山 この夕 霞たなびく 春立つらしも 柿本人麻呂 巻10−1812
天の香久山には、この夕方、霞がたなびいている。ああ、春になったなあ。
                                   

香具山観光トイレの香具山周辺案内図。

香具山の上り口にある舒明天皇の巻1−2の歌碑。

北西に耳成山が見える。

天香山神社にある柿本人麻呂の巻10−1812の歌碑。

天香山神社にある持統天皇の巻1−28の歌碑。

藤原宮跡醍醐池東の巻1−28の歌碑。後方に香具山。
元薬師寺跡の万葉歌碑は黒岩重吾氏の揮毫。
忘れ草 我が紐に付く 香具山の 古りにし里を 忘れむがため 大伴旅人 巻3−334
忘れ草を私の紐に付けます。香具山のある懐かしい古里を忘れられるように。
                        
畝傍山 〜標高199m、藤原宮跡の南西にある。田の畝のようにくねくねした山容から名付けられた。登山口には畝火山口神社がある。

明日香村の甘樫丘から見た畝傍山(左)と耳成山(右)、桜が満開で晴れていたらきれいだろう。
                                  
思ひあまり いたもすべなみ 玉たすき 畝傍の山に 我れ標しめひつ
巻7−1335

恋しくて、思い余ってどうしようもなくなり、
畝傍山に、私のものだというしるしを結び付けるのです。


畝火山口神社の巻7−1335の歌碑。


元薬師寺跡から見た畝傍山。
                          
耳成山 〜標高140m、藤原宮跡の北にある。山容が「耳無し」で、どこから見てもなだらかな円錐形。山中に耳成山口神社がある。
耳成の 池し恨めし 我妹子が 来つつ潜かづかば 水は涸れなむ
巻16−3788
耳成の池は恨めしい。あの子がさまよってきて水に入ったら、水がかれて死なないようにしてくれればよかったのに。
昔、3人の男たちがひとりの娘を好きになり求婚したが、その娘は思い悩んで池に身を投げた。
3人の男たちは娘の死を悲しんで詠んだ歌3首のうちの1首。
                     

古池と耳成山。

池畔の歌碑。