万葉の旅

吉野

10/3/22
PENTAX K-7/17-70
          
よき人の よしとよく見て よしと言ひし 吉野よく見よ よき人よく見
天武天皇 巻1−27
昔の君子が「良い」といってよく見た吉野の地を、今の君子よ、よく見なさい。
          

近鉄吉野駅前の巻1−27の歌碑。


近鉄吉野線の終点・吉野駅構内。


吉野宮に幸
いでましし時、 柿本朝臣人麻呂の作れる歌
やすみしし わが大王おほきみの 聞こしめす 天の下に 国はしも 沢にあれども 山川の 清き河内かふちと 御心を
吉野の国の 花散らふ 秋津の野辺に 宮柱 太しきませば ももしきの 大宮人は 船並
めて 朝川渡り 舟競ふなきほい 夕川渡る
この川の 絶ゆることなく この山の いや高知らす 水激
たぎつ 滝の宮処みやこは 見れど飽かぬかも 柿本人麻呂 巻1−36
反歌
見れど飽かぬ 吉野の川の 常滑とこなめの 絶ゆることなく また還かへり見む 柿本人麻呂 巻1−37
見あきることのない吉野の川の滑らかさが永遠であるように、いつまでもくり返し見に来よう。

          
天武・持統天皇の頃に離宮があったとされる中荘小学校前には、石碑、説明板、歌碑があるが、歌碑の文字は読みづらい。

み吉野の 象山
きさやまの際の 木末には ここだも騒く 鳥の声かも
山部赤人 巻6−924
吉野の象山の谷あいの木々の枝先では、こんなににぎやかにさえずる鳥たちの声が聞こえる。

          




桜木神社と拝殿右手にある巻6−934の歌碑。

桜木神社前には、万葉集に歌われた象(きさ)の小川・喜佐谷川が流れている。
暮春の月に、吉野の離宮に幸す時に、中納言大伴卿、勅を奉りて作る歌
昔見し 象の小川を 今見れば
いよよさやけく なりにけるかも 
大伴旅人 巻3−316
昔見た象の小川を今見ると、
ますます清らかな流れになっている。
         
吉野なる 菜摘の川の 川淀に

鴨ぞ鳴くなる 山蔭にして

湯原王 巻3−375

吉野の菜摘の川の淀みで鴨が鳴いている。山陰になっているあたりで。

菜摘という地名は今も残っていて、長い石段の十二社神社の境内に歌碑がある。