文学を歩く

万葉の旅

万葉集ゆかりの地をたずねる
 

地 

都道府県

地 名

所在地

          万 葉 歌

東 北

宮 城

陸奥山 涌谷町 天皇すめろぎの 御代みよ栄えむと あづまなる 陸奥山みちのくやまに くがね花咲く
多賀城 多賀城市 大伴おほともの とほ神祖かむおやの 奥城おくつきは しるくしめ立て 人の知るべく

福 島

安達太良 二本松市 安達太良あだたらの に伏す鹿猪ししの ありつつも れはらむ 寝処ねどな去りそね
安積香山 郡山市 積香山あさかやま 影さへ見ゆる の 浅き心を 我が思はなくに
会津嶺 磐梯町 会津嶺あいづねの 国をさ遠どほみ 逢はなはば 偲しのひにせもと 紐結ばさね

北 陸

新 潟

沼名川 糸魚川市 名川 底なる玉 求めてし玉かも ひて得し玉かも あたらしき君が 老ゆらく惜しも

富 山

立山 立山町 立山たちやまに 降り置ける雪を 常夏とこなつに 見れども飽かず かむからならし
伊久里の杜 砺波市 妹が家に 久里の  今む春も かくし見む
石瀬野 高岡市 瀬野いはせのに 秋萩しのぎ 馬めて 初鳥はつとがりだに せずや別れむ
雄神川 高岡市 雄神川をかみがは 紅にほふ 娘子をとめらし 葦付あしつき取ると 瀬に立たすらし
三島野 射水市 三島に たなびき しかすがに 昨日今日も 雪は降りつつ
奈呉の江 射水市 みなと港風 寒く吹くらし 奈呉の江に 呼びかはし たづさは
越中国府 高岡市 もののふの 八十やそをとめ子らが まがふ 寺井の 堅香子かたかごの花
谿の崎 高岡市 めて いざ打ちかな 渋谿しぶたにの 清きみに 寄する波
二上山 高岡市 谿しぶたにの 二上山に 子産こむといふ さしはにも 君のみために 鷲ぞ子産といふ
の海 氷見市 の海の つ白波 ありがよひ いや年のはに 見つつしのはむ
英遠の浦 氷見市 英遠あおの浦に 寄する白波 いや増しに 立ちしき寄せ来 あゆをいたみかも

関 西

兵 庫

縄の浦 相生市 の浦に 塩焼くのけ 夕されば 行き過ぎかねて 山にたなびく
鳴島 相生市 の 瀬戸なる 鳴島の 越す波に れにけるかも
辛荷の島 たつの市 刈る 辛荷の島に 島廻しまみする にしもあれや 家思はずあらむ
名寸隅 明石市 行きり ともかめや 名寸隅なきすみの 舟瀬ふなせの浜に しきる白波
藤江の浦 明石市 あらたへの 藤江の浦に すずき釣る 海人あまとか見らむ 旅行く我れを
明石の門 明石市 あまざか ひな長道ながちゆ 恋ひ来れば 明石より 大和島見ゆ
松帆の浦 淡路市 名寸隅の 舟瀬ゆ見ゆる 淡路島 松帆の浦に 朝なぎに 玉藻刈りつつ
野島 淡路市 朝なぎに かぢ聞こゆ 御食みけつ国 野島のしま海人あまの 舟にしあるらし  
飼飯の海 南あわじ市 飼飯けひの海の 庭よくあらし 刈菰かりこもの 乱れて出ず見ゆ 海人あまの釣り舟
敏馬の浦 神戸市 刈る 敏馬みねめを過ぎて 夏草の 野島のしまの崎に 船近づきぬ
莵原娘子 神戸市 いにしへの 信太しのだ壮士をとこの どひし 莵原うなひ娘子をとめの 奥城おくつきぞこれ

中 国

鳥 取

因幡国庁 鳥取市 新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事よごと

島 根

高角山 江津市 のや 高角山たかつのやまの より 我が振る袖を 見つらむか
辛の崎 江津市 つのさはふ 石見の海の ことさへく からの崎なる 海石いくりにぞ 
鴨山 益田市 鴨山の 岩根ける 我れをかも 知らにと妹が 待ちつつあるらむ
志都の岩屋 邑南町 大汝おほなむち 少彦名すくなひこの いましけむ 志都しつ石室いはやは 幾代いくよぬらむ
鴨山斉藤茂吉説 美郷町 鴨山の 岩根ける 我れをかも 知らにと妹が 待ちつつあるらむ
浮沼の池 大田市 君がため うきぬの池の 菱摘むと 我がめし れにけるかも  
静之窟 大田市 大汝おほなむち 少彦名すくなひこの いましけむ 志都しつ石室いはやは 幾代いくよぬらむ

岡 山

牛窓 瀬戸内海市 牛窓の 波の潮騒 島響とよみ 寄そりし君は 逢はずかもあらむ
多麻の浦 瀬戸内海市 ぬばたまの 夜は明けぬらし 多麻の浦に あさりする鶴たづ 鳴き渡るなり
神島 笠岡市 月読つくよみの 光を清み 神島の 磯間の浦ゆ 船出す我れは

広 島

高庭駅家 廿日市市 出でて行きし 日を数へつつ 今日今日も 我を待たすらむ 父母らはも
長門の島 呉市 我が命を 長門の島の 小松原 幾代を経てか 神さびわたる
風早の浦 東広島市 我がゆゑに 妹嘆くらし 風早の 浦の沖辺に 霧たなびけり
長井の浦 三原市 海原を 八十島やそしがくり 来ぬれども 奈良の都は 忘れかねつも
鞆の浦 福山市 海人あま小舟 帆かも張れると 見るまでに 鞆の浦みに 波立てりみゆ
深津島山 福山市 道の後しり 深津島山 しましくも 君が目見ねば 苦しかりけり

山 口

角島 下関市 角島つのしまの 迫戸せとの稚海藻わかめは 人のむた 荒かりしかど 我れとは和海藻にきめ
可良の浦 平生町 おきへより らし 可良からの浦に あさりするたづ 鳴きてきぬ
伊波比島 上関町 草枕 旅行く人を 伊波比島いはひしま 幾代経るまで 斎いはひ来にけむ
大島の鳴門 大島町 これやこの 鳴門の 渦潮に 玉藻刈るとふ 海人あま娘子をとめども

四 国

徳 島

阿波の山 徳島市 眉のごと 雲居に見ゆる 阿波の山 懸けて漕ぐ舟 泊り知らずも

九 州

福 岡

企救/飛幡 北九州市 の 企救きく長浜 行き暮らし 日の暮れゆけば をしぞ思ふ
岡の水門 芦屋 天霧あまぎらひ ひかた吹くらし 水茎の 水門みなとに 波立ちわたる
鐘の岬 宗像市 ちはやぶる を 過ぎぬとも 我れは忘れじ 志賀しかの皇神すめかみ
名児山 宗像市 大汝おほなむち 少彦名すくなひこの 神こそば 名付けそめけめ 名のみを 名児山なごやま
香春かはる鏡山 香春かわら 梓弓 引き豊国の 鏡山 見ずひさならば 恋しけむかも
嘉摩 嘉麻市 しろがねも くがねも玉も せむに まされる宝 子にしかめやも
夷守ひなもり 粕屋町 草枕 旅行く君を うるはしみ たぐひてぞし 志賀浜辺
香椎 福岡市 いざ子ども 香椎に 白栲しろたへの さへれて 朝菜摘みてむ  
志賀 福岡市 おおぶねに 小船こぶね引きへ かづくとも 志賀しか荒雄に はめやも
荒津 福岡市 かむさぶる 荒津あらづに 寄する波 なくや妹に 恋ひわたりなむ  
筑紫館 福岡市 今よりは づきぬらし あしひきの 山松蔭に ひぐらし鳴きぬ  
御笠の杜 大野城市 思はぬを 思ふと言はば 大野なる の 神し知らさむ  
水城 太宰府市 ますらをと 思へる我れや の 水城みずきに のごはむ  
大野山 太宰府市 大野 立ち渡る が嘆く おきその風に 霧立ち渡る  
観世音寺 太宰府市 しらぬひ 筑紫の綿は 身に付けて いまだはねど けく見ゆ
大宰府 太宰府市 あをによし 寧楽なら京師みやこは 咲く花の にほふがごとく 今盛りなり
次田すきたの湯 筑紫野市 湯の原に 鳴くあしたづは 我がごとく に恋ふれや 時わかず鳴く
蘆城 筑紫野市 をみなへし 萩交まじる 蘆城あしき 今日を始めて 万代に見む
安の野 筑前町 君がため みし やすの野に ひとりや飲まむ 友なしにして
残島のこのしま 福岡市 沖つ鳥 鴨とふ船の 帰り来ば 也良の崎守 早く告げこそ
韓亭 福岡市 韓亭からどまり 能許のこの浦波 立たぬ日は あれども家に 恋ひぬ日はなし
引津の亭とまり 志摩町 梓弓 引津の辺なる なのりその花 摘むまでに 逢はずあらめやも なのりその花
子負こふの原 二丈町 あめつちの ともに久しく 言ひ継げと この御魂 かしけらしも

佐 賀

松浦川 唐津市 松浦川まつらかわ 玉島の浦に 若鮎釣る らを見らむ 人のともしさ  
領布麾ひれふりの嶺 唐津市 遠つ人 松浦佐用姫まつらさよひめ 夫恋つまごひに 領巾ひれ振りしより 負へる山の
狛島 唐津市 帰り来て 見むと思ひし 我がやどの すすき 散りにけむかも  
吉志美が嶽 白石町 あられふり 吉志美が嶽を 険さがしみと 草取りかねて 妹が手を取る

大 分

倉無の浜 中津市 吾妹子が 赤裳づちて 植えし田を 刈りて収めむ 倉無くらなしの浜
分間わくまの浦 中津市 海原の 沖べに灯し 漁いざる火は 明かしてともせ 大和島見ゆ
朽網 竹田市 朽網くたみ山 夕居る雲の 薄れ行かば われは恋ひむな 君が目を欲
木綿の山 由布市 思ひ出づる 時はすべなみ 豊国とよくにの 木綿ゆふ山雪の 消ぬべく思ほゆ

長 崎

美禰良久みねらく 五島市 の つかはさなくに さかしらに 行きし荒雄あらをら 沖に振る
平敷の石 長崎市 あめつちの ともに久しく 言ひ継げと この御魂 かしけらしも

熊 本

水島 八代市 聞きしごと  まこと貴く  奇くすしくも 神かむさびをるか これの水島
野坂の浦 芦北町ほか 葦北の  野坂の浦ゆ  船出して  水島に行かむ  波立つなゆめ

鹿児島

薩摩の瀬戸 長島 隼人の 薩摩の瀬戸を 雲居なす 遠くも我れは 今日見つるかも
太宰府市歴史スポーツ公園歌碑めぐり  ●筑紫野市天拝湖畔の歌碑  ●神戸市平磯緑地 「万葉歌碑の道」  ●虹の松原万葉の里公園の歌碑

万葉時代の主な出来事

第1期

舒明天皇
有馬皇子
天智天皇
額田王
天武天皇
630 遣唐使始まる

第2期

持統天皇
柿本人麻呂
高市黒人
志貴皇子
長田王
689 飛鳥浄御原律令施行

飛鳥時代
(629-686)

645 大化の改新

藤原時代
(687-707)

694 藤原京遷都
663 白村江の敗戦 701 大宝律令完成
667 大津京遷都    
672 壬申の乱    

第3期

山部赤人
笠金村
大伴旅人
山上憶良
大伴坂上郎女
708 和同開珎

第4期

聖武天皇
光明皇后
狭野茅上娘子
紀郎女
大伴家持
729 長屋王の変

和銅/養老
(708-728)

710 平城京遷都

天平時代
(729-751)

740 藤原広嗣の乱
712 古事記完成 741 国分寺建立の詔
718 養老律令完成 743 墾田永世私財法
720 日本書紀完成 744 難波京遷都

 参考サイト 万葉集を携えて ウォーク万葉 万葉集に親しむ 
 参考文献  
犬養孝「万葉の旅/上・中・下」(教養文庫)  梅林孝雄「
福岡県万葉歌碑見て歩き」(海鳥社)
        日本古典文庫・折口信夫訳「万葉集上・下」(河出書房新社)  中西進「万葉の歌・全15巻」(保育社)


 since 10/1/20