眼鏡橋巡礼フォトギャラリー(3) 石橋ロード

国道218号線は、熊本県の松橋から東へ九州の中央部を横断し延岡に至る。眼鏡橋は豊野村から矢部町に至る約30kmの区間に点在している。砥用町には、「石橋と美人がいっぱいわき見に注意」という看板が立っている。

豊野村は干し柿の生産量日本一の村であるが、眼鏡橋の周辺にはあいにく柿の木が少ない。ここには江戸末期に建造された巣林橋(すばやしばし)、安見橋、山崎橋が健在である。浜戸川にかかる巣林橋は霊台橋の試作品と言われ、薩摩街道にかかっていたことから「薩摩渡し」という別名を持っている。

中央町にも江戸末期に建造された二俣橋、第二二俣橋、小筵橋(こむしろばし)がある。二俣橋と第二二俣橋は津留川と釈迦院川の合流する地点にあり、二股になった川の上にかけられていることから、字は異なるが二俣橋と呼ばれているようだ。付近は公園化されていて、四季折々に水辺の風景が楽しめる。


田園の小川にかかる巣林橋/熊本県豊野村/1829年
  

石の黒、イチョウの黄、空の青
二俣橋/熊本県中央町/1822年頃


渓流にかかる馬門橋/熊本県砥用町/1827年

砥用町は眼鏡橋の宝庫であるが、代表的なのは雄亀滝橋(おけだけばし)、馬門橋(まかどばし)、大窪橋、そして霊台橋である。霊台橋は、種山村の卯助・宇市・丈八(橋本勘五郎)三兄弟が機械カのない時代にわずか10か月で完成させた。橋のたもとに立ってみると、緑川の船津峡をまたぐそのスケールの大きさに圧倒される。

矢部町にある通潤橋は世界最大の石造単一アーチ水路橋であり、深い谷に囲まれた白糸台地に潅漑用水を供給している。阿蘇外輪山をはるかに望み、広々とした空間にそびえ立つ姿は、周囲の景観を含め眼鏡橋の最高傑作である。

霊台橋と通潤橋は国の重要文化財に指定されているが、この2橋はわが国石橋文化の象徴として世界文化遺産に登録する価値がある。