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92/11/1 CanonNewF1/28mm 92/8/3
CanonT90/28mm
眼鏡橋と鉄道
1970年代、鉄道の近代化によって国鉄線上から次々とSLが消えつつある頃、四季折々
にSLを求めて九州各地を歩きまわった。1975年にSLが姿を消したのち、大井川鉄道や
山口線にSLが復活すると再び撮影が加熱し、鉄道以外にはほとんどカメラを向けることはな
かった。
1990年頃から、鉄道写真に限界のようなものを感じはじめ、近代建築へ関心が移りつつ
あった。今では鉄道を撮ることは少なくなったが、眼鏡橋を撮っていてもどこかに鉄道へのこ
だわりがある。
久大本線の豊後中村から野矢へ向かう沿線には、明治30年前後に建造された藤ノ尾橋・深
瀬橋・妙見橋の3橋が残っている。鉄道の最も近くにあるのが妙見橋で、眼鏡橋よりも高い位
置に鉄道橋があり、全国的にも少なくなった客車列車がDE10型機関車に引かれて通過して
ゆく。
豊肥本線の豊後竹田の町はずれには、笹無田井路橋と笹無田橋がある。東から国道57号線
の道路橋、次に鉄道橋、そして眼鏡橋が2橋。笹無田川にかかる4本の橋が近接して並んでい
て、美しく蔦がからんだ2連の巨大な水路橋のそばを列車が走り去る風景はなかなか絵になる。
瀬戸眼鏡橋は水俣市と津奈木町の境界にあり、数メートル隔てて鹿児島本線が走っている。
この橋は江戸末期に薩摩街道にかけられたものであるが、橋面は草でおおわれ、橋からつづく
小径が薮のむこうに消えていた。
水俣市の境橋は、国道3号線から少し入った境川にかかっている。頭上に鹿児島本線の鉄道
橋があり、特急つばめが轟音を立てて通過してゆく。橋の先には道はなく、親柱の「佐可似者
し(さかいはし)」の文字が、真夏の陽射しを受けて寂しげであった。
[眼鏡橋巡礼] |