眼鏡橋巡礼 鶴の平眼鏡橋

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眼鏡橋の自然環境

 眼鏡橋をたずねて、まず目の当たりにするのは
川の汚染である。川にはビニールや空き缶が捨て
られ、ヘドロが溜まって悪臭を放っている。護岸
工事により草むらがはぎ取られ、コンクリートが
むき出しになっている。

 川が自然のままで澄んだ水が流れ、その上に石
組みの美しい眼鏡橋がかかっている風景は、国道
からはなれた山間部に限られてしまった。

 宮崎県日之影町の鶴の平眼鏡橋は、五ヶ瀬川沿
いの谷を走っている旧国道から少し南に入った集
落の小さな渓流にかかっている。新道ができてか
ら車の通行も少なくなり、あたりは静かで、時折
遠くで高千穂鉄道の警笛が響く。

 この付近にも人家があり人工の構築物が目につ
くが、眼鏡橋には影響を与えていない。水は澄み
真夏でも冷たい。

    両岸に築いた自然石の土台から、石のアーチが美しい弧を描き川面に影を映している。建
   造年代は江戸末期と推定されているから、この渓流にかけられてから130年くらいになる。
 
    近年、眼鏡橋の文化財的価値が認識され、観光資源として積極的に活用している市町村が
   増えている。しかし、人の手を入れすぎて環境が破壊され、眼鏡橋を台無しにしている場合
   が多い。貴重な文化遺産を生かすためには、眼鏡橋周辺の破壊された環境を自然に戻すこと
   からはじめなければならないと思う。

    司馬遼太郎氏は、『二十一世紀に生きる君たちへ』の中で、「昔も今も、また未来におい
   ても変わらないことがある。そこに空気と水、それに土などという自然があって、人間や他
   の動植物、さらに微生物にいたるまでが、それに依存しつつ生きているということである。」
   と述べている。

                      [眼鏡橋巡礼]