下関市には、稲荷町、裏町、豊前田、そして新地の4箇所に花街があったとされいる。
都市開発によってその痕跡はほとんど消滅してしまったそうだが、新地には当時の面影が残っている。
家屋の老朽化が進み、取り壊されて空き地や駐車場になりつつあり、今年の姿が来年も続く訳ではない。
新地西町は、下関駅から国道191号線を北へ徒歩15分ほどのところにある。
国道から西の山手にかけてが新地西町で、筆者は9時〜11時の二時間をかけてゆっくり散策したが、狭い地域なので一時間でまわれると思う。
主要な建物は10時ごろから午前中が日当たりがよくなるが、町並みを撮るなら曇り日の方が影を気にしなくてすむ。
いつか、街灯が点るころに歩いてみたいと思っている。
なお、1998年のむぎ焼酎二階堂のCM「刻の迷路」はここでロケされている。 |

新地西町交差点そば。左に旧旅館、右に旧妓楼群。旅館と妓楼群の間が新地西町の入口。午前9時すぎ、散策を開始する。

築100年を超える旧旅館「つる八」は「TUR8(つるはち)食堂」として活用されている。

妓楼群を近くから見る。この日は「建国記念の日」、国旗が飾られていた。 |

妓楼群の窓。大きな窓の下にステンドグラス風の小窓。 |

TUR8食堂を横から見る。窓に特徴がある。 |
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新地西町を貫く通りは狭い。通りの中央付近にひときわ目立つ建物がある。「花月」という屋号の妓楼だったようである。

右手奥に進むと建物の側面が見える。まるでパッチワークのようだ。エアコンの室外機だけが新しく見える。

正面から見る。左へ妓楼が続いている。

通りの西を見る。右手前の建物は空き家のようだが、その先の白い建物は改装し民家として再利用されているようだ。 |

通りをぬけると斜めに道が交差する。鋭角に曲がって進むと、理髪店と銭湯がある通りへ入る。
曲がり角に構築物がある。玄関の跡だろうか。2020/7/5 EOS 7DU/10-18

理髪店と銭湯がある通りをぬけたところから振り返ってみると、カーブした路地がいい雰囲気を醸し出している。
中央左手にある銭湯「千歳湯」は創業100年を超える。午後3時からの営業(日曜日は休み)なので、まだのれんがかかっていなかった。 |

銭湯のある通りの出口付近から丘の住宅地へ上る階段がある。丘には密集した家屋の中を迷路のような細い道が続いている。 |
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町並みの南、新地町のバス停近くにある路地。左は壁で、右に5軒ほどの
バーがあったようだが現在は廃屋。「しんち」という店の看板が残っている。 |

下関駅から新地へ歩いてくるときに、竹崎町の風俗店が並ぶ通りで見かけ
た「大阪屋」は、創業1947年の食堂。ちゃんぽんが評判のようだ。 |
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