近代化産業遺産
九州・山口と関連地域の近代化産業遺産群

 

2015年7月5日、明治日本の産業革命遺産-九州・山口及び関連地域の世界文化遺産登録が決定した。
九州の福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・鹿児島県、山口県、静岡県、岩手県の28資産から構成されている。
遺産名をクリックすれば詳細な情報が得られ ます。

橋野高炉跡及び関連遺跡  岩手県釜石市 2014/10/4 EOS 5D/24-105
釜石市の山中、県道35号線から南へ1kmくらい入ったところに、古代遺跡のような場所がある。
「九州・山口と関連地域の近代化産業遺産群」として世界遺産への登録が推進されている最北の遺跡である。

大砲の製造に必要な銑鉄の生産を目的に、盛岡藩が橋野に高炉3基を建設したのは、安政5年(1858)から万延元年(1860)にかけての幕末であった。
明治初期までに釜石地域では橋野を含め7か所に13基の高炉が建設された。その成功は、明治13年(1880)創業の釜石製鉄所へ引き継がれた。



方角は、左が北で、ほぼ南北に高炉跡がある。
手前の川は右から左へ流れていて、右端の取水口から取り込まれた水が水路にある水車を回して動力としていた。
高炉は右側に1番高炉と2番高炉、左側に3番高炉があり、その中間に色々な施設があった。



1番高炉跡。残っているのは高炉の基礎部分である。


1番高炉跡近くの水路跡。このあたりに水車があった。


2番高炉跡。


3番高炉跡。

 
山神神社の鳥居と山神と馬頭観世音の碑。


3番高炉跡近くの廃墟感漂う風景。

韮山(にらやま)反射炉  静岡県伊豆の国市 2014/10/10 EOS 5D/17-40
鉄製大砲を鋳造するための鉄鉱石の溶解炉が反射炉で、韮山反射炉は安政4年(1857)に完成した。
石炭を燃焼させた炎と熱を炉内の天井で反射・集中させることによって鉄を溶かしたことから、反射炉とよばれている。

  


  

三重津海軍所跡 佐賀県佐賀市 2014/9/25 EOS 5D/24-105
 参考サイト三重津海軍所跡を世界遺産へ
筑後川の支流・早津江川河畔にある三重津海軍所跡付近は、幕末当時は三重という地域だった。
江戸時代、佐賀藩は御船屋(おふなや)という藩の船を管理する場所を設けていた。

安政5年(1858)、佐賀藩はここ三重津に海軍教育施設である御船手稽古所(おふなてけいこしょ)を設けた。
船の操縦、軍事訓練、造船、船舶の修理などの機能を次第に充実させ、慶応元年(1865)に日本初の蒸気船・凌風丸を建造した。
施設の規模は、現在は佐野記念公園となっている早津江川の河川敷に約600mにわたっていた。
佐野記念公園の佐野とは日本赤十字創設者・佐野常民のことで、堤防には記念館があり記念館前からは海軍所跡が一望できる。



三重津海軍所跡は、船屋地区、稽古場地区、修復場地区の三つのエリアから構成されている。
上の写真の正面にある小石が転がっているところは修復場地区のボイラー製造所跡で、発掘調査の後に埋め戻したようだ。


このような石碑が立っているだけで、当時の遺構が見られないのは世界遺産候補地としては物足らない。


ほぼこのあたりに船屋があった。今は、漁船や海苔網の機材運搬船の港として使用されている。
一番奥に船の出入り口があり、満潮のときのみ船が通行できる。おとずれたときは満潮だった。


船屋地区の図。ノコギリの歯のような船入り場があった。


船の出入り口。

小菅修船場跡  長崎県長崎市 2014/4/21 EOS 5D/24-105
長崎市中心部から国道499号線を南下した小菅町にあり、国道沿いに標識が出ている。
近代造船史上現存する最古の遺構で、船を曳き入れるドックと曳揚機のある小屋が残っている。


旧集成館機械工場  鹿児島県鹿児島市 2014/3/26 EOS 5D/24-105
仙巌園(旧磯庭園)の西側にある。
慶応元(1865)年竣工、現存する日本最古の機械工場。当時の巨大な機械類が保存展示されている。


旧集成館  鹿児島県鹿児島市 2014/3/26 EOS 5D/24-105
仙巌園(旧磯庭園)の中にある。
日本最初の工業コンビナートで、大砲鋳造のための反射炉、ガラス工場、鋳造工場などの工場群があった。当時の建物は残っていない。


反射炉基底部。


鉄製150ポンド砲(複製)


大板山たたら製鉄跡 山口県萩市 2013/9/26 EOS 5D/24-105
県道10号線から北へ4kmほど、山の口ダムの北端近くにあり、ダム湖の西岸を道なりに進めば到達できる。




高殿という中心施設の中央に製鉄炉があった。


砂鉄洗い場跡。高殿の前にあり、ここで砂鉄を洗って不純物を取り除いた。

古墳のような形の炭窯跡や事務所である元小屋跡の石垣が見える。

萩反射炉 山口県萩市 2013/9/26 EOS 7D/10-22
国道191号線を北上し庄屋川を渡ったすぐ先の右手に標識が出ている。反射炉のある丘への登り口に駐車場がある。
萩ではよく知られた観光ポイントで、以前に何度か立ち寄ったことがある。桜が満開の頃がきれいだろう。




早くも「世界遺産暫定一覧表記載資産」という真新しい説明板が設置され,、萩反射炉と恵美須ヶ鼻造船所跡の写真と地図が載っていた。

恵美須ヶ鼻造船所跡 山口県萩市 2013/9/26 EOS 5D/24-105
萩反射炉の標識の200mほど先で左折し、港に沿って進み、恵美須神社前を通り過ぎた突き当りの防波堤付近。






今残っているのは防波堤のみであるが、この防波堤と恵美須神社の間、民家が建っているところに造船所があった。

三角西(旧)港  熊本県宇城市 1993/5/15 PENTAX Z5p/28-70
産業開発のための全国的な港湾修築の一環として、1884年に着工し、熊本から三角までの道路建設と築港を3年の歳月をかけ1887年に竣工した。
主に三池炭鉱の石炭の積み出し港として活用された。
オランダ人技師ムルドルが設計した埠頭は、対岸の飛岳から切り出した安山岩が使用されている。

1899年に九州鉄道が現在の三角東港まで開通し、東港の発展とともに西港は次第に衰退して行った。
明治期に建造された港湾施設がほぼ完全な形で残っているのはここだけ。国指定重要文化財。

 [近代化遺産]