山頭火と歩く

筑後

2011/1/21

昭和5年、山頭火は熊本へ戻る途中、12月11日、羽犬塚に宿をとる。当初は、久留米で泊まる予定だったが、雑踏をさけて羽犬塚に泊まった、と行乞記に書いている。

 久留米へ出て、郵便局で、留置の雑誌やら手紙を受け取る、ここで泊まるつもりだけれど、雑踏する
 のが嫌なので羽犬塚まで歩く、目についた宿に飛び込んだが、きたなくてうるさいけれど、やすくてしん
 せつだった。


 大霜の土を掘りおこす
 枯草ふみにじって兵隊ごっこ
 うららかな今日の米だけはある
 さうらうとしてけふもくれたか
 街の雑音も通り抜けて来た


山頭火が歩いたかつての豊前街道沿いには句碑がある。

■筑後工藝館〜紹介しているページはこちら

春風の鉢子一つ

さうらうとしてけふもくれたか

筑後工藝館は国道209号線の盛徳交差点から東へ300mくらい進んだ右手にある。


庭には田の神像が3体置かれていた。

筑後工藝館をたずねると、品のよい五十年配の婦人が応対してくださった。句碑を撮影後、和菓子とコーヒーの接待を受けた。筑後工藝館は家具の展示が主目的で、婦人のお父様が館長をされている。山頭火の句碑も館長が建立されたものである。

社日神社
羽犬塚の国道209号線の東側に国道に面して小さな神社があり、大きな句碑がたっている。
山頭火が泊まった喜楽屋はこの近くにあったようだ。

お経をあげてお米もろうて百舌鳴いて

■藤島橋と二本松橋
この2句は羽犬塚付近で詠まれたものである。

さうらうとしてけふもくれたか

うららかな今日の米だけはある

船小屋温泉 2015/4/28
ホテル樋口軒の駐車場入口に句碑がある。あまりにも分かりやすいところにあり、2011年1月にたずねたとき見つけられなかったし、今回も見つけるのに時間がかかった。

雲の如く行き風の如く歩み水の如く去る
「行乞記」の室積行乞(山口県、昭和8年5月13日)の最初の部分に書かれている句である。
山頭火の句の中で一番颯爽とした句のように思えるが、さびしさがにじみでている。


句碑は駐車場の入口にぽつんとたっている。

 
船小屋温泉の湧泉「雀地獄」と鉱泉を飲用できる鉱泉場。