山頭火と歩く

永平寺にて

03.5.18取材

山頭火が永平寺へやって来たのは昭和11年7月4日。前年末から、山陽道、東海道、東北道を歩き、芭蕉の足跡をたずねて平泉まで行き、北陸道を南下して福井へ到着した。京福鉄道永平寺線は当時すでに開通していたが、永平寺まで山頭火は歩いて来たようだ。永平寺で参籠を許され、7月7日まで滞在した


水音のたえずして御佛とあり
 
7月4日の日記
永平寺も俗化してゐるけれど、他の本山に比べるとまだまだよい方である。山がよろしい、水がよろしい、伽藍がよろしい、僧侶の起居がよろしい。しづかで、おごそかで、ありがたい。久しぶりに安眠。

7月5日の日記
酒も煙草もない、アルコールがなければ、ニコチンがなければ、などといふも我侭だ。山ほととぎす、水音はたえない。



てふてふひらひらいらかをこえた

7月7日の日記

三日間、私はアルコールなしに、ニコチンなしに、無言行をつづけた。わたしの一生はよかれあしかれ、とにかく終ったと思ふ。満心の恥、通身の汗、流れるままに流れよう、あせらずに、いういうとして。


山のしづかさへしづかなる雨