山頭火と歩く

山口市仁保

08/11/15

山頭火が仁保へやって来たのは、昭和8年7月28日。山口市の裏通りを行乞し、山口県庁の前を通り、午後、宮野から仁保へ行乞して、仁保上郷の旅館に泊まった。その日の日記には次のように書かれている。

 六時すぎに出立。道はアスファルトの一路坦々、朝風が法衣の袖にはらんで涼しい。
 九時から山口市の裏通行乞二時間。鈴木の奥さんに御挨拶する。思ひがけなくお布施を
 頂戴して恐縮した。
 野田神社、豊栄神社へ参拝、境内は掃目もあざやかに蝉しぐれのなごやかさ。
 山口県庁の建物はおちついてゐて好きだった。背景の山の姿も気にいった。
 サベリヨ記念碑を見た。
 寺内文庫で新聞を読みながら休む。
 二時から六時まで、宮野仁保を行乞して仁保上郷の河内屋といふ安宿へ泊まった。山村
 のしずかな家でうれしかった。行程五里。

  木賃三十銭
  夕食 鯖の煮付 茄子の煮込 沢庵漬  朝食 味噌汁 煮豆
  所得 銭三十銭 米三升

このあと宿でのことが書かれ、俳句が27句並んでいる。その中から3句。

 
みんなたっしゃでかぼちゃのはなも

 煙が山から人間がをる
 人にあはない山のてふてふ
 

仁保上郷の犬鳴の滝への遊歩道にある句碑。分け入れば水音 文字は山頭火の自筆。