山頭火と歩く

小郡


 ■其中庵(ごちゅうあん)

    とうとう出立の時間が経過してしまったので庵に戻って、さらに一夜の名残を惜しんだ。

      庵はこのまま萌えだした草にまかそう

    そして私は出て行く、山を観るために、水を味ふために、自己の真実を俳句として打ち出すために。

      ふりかへると椿が赤い
      其中庵よ、其中庵よ
      わかれて春の夜の長い橋で
      木の実すっかり小鳥に食べられて木の芽
      こんやここで涸れている水
                                 (東行記・昭和9年3月21日より)

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     復元された其中庵を山側の畑から見る。 荻原井泉水らが昭和25年に建立した句碑。
     小郡町矢足其中庵公園内、入館無料。  
はるかぜのはちのこひとつ
     
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 床の間の掛け軸、とっくり、袋。

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其中庵の縁。庭には柿の木。

山頭火が小郡に庵を結んだのは、昭和7年9月から昭和
13年11月までの6年間で、山頭火51歳から57歳
までの晩年の時期である。

この庵からあちこちへ行乞に出ている。昭和11年3月
門司から船で神戸で降り、平泉に至って7月に戻って来
る大旅行を決行した。おそらく死に場所を探す旅だった
のではないだろうか。

 其中庵周辺の句碑から3句。

  母ようどんそなえてわたくしもいただきます
  またふるさとにかえりそばの花
  誰も来ない茶の花が散ります

  小郡町文化資料館
 山頭火の遺作、使用していた机、着物などの遺品を含め50点あまりが展示されている。
            <休館日は月曜・祝日。開館時間は9時〜16時。入館無料>

 ■小郡駅前
雲の如く行き
水の如く歩み
風の如く去る

     一切空
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春風の鉢の子一つ
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 モニュメント風広告塔

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     小郡駅新幹線口広場に建つ山頭火の像。
     
まったく雲がない笠をぬぎ

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其中庵時代に山頭火がよく行ったという居酒屋。

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居酒屋前に建つ「ほろよい通り」の石碑と
句が刻まれた手水鉢。
へふへふとして水を味ふ