山頭火と歩く

志布志

2011/2/1
K10D


山頭火が日南海岸沿いに志布志へやって来たのは、昭和5年10月10日だった。
11日も志布志に滞在し、12日は志布志線に乗り、途中、岩川と末吉で行乞し、都城へ向かった。


■昭和5年10月10日 曇。
八時すぎてから、中町行乞二時間、それから今町三時間、もう二時近くなったので志布志へ急ぐ、三里を二時間あまりで歩いた、それはほかでもない、書留の郵便物を受取るためである。友はなつかしい、友のたよりはなつかしい。
今日の行乞相はよくもわるくもなかった。嫌なことが四つあった。同時にうれしいことが四つあった。うらむらくは私自身が空の空になれない事だ。嫌ひも好きもあるものか。


志布志駅前。
一きれの雲もない空のさびしさまさる

南宮崎から89km。
かつてはここから志布志線がのびていた。

■昭和5年10月11日 晴。曇。
九時から十一時まで行乞、こんないはようやめるつもりはなかったけれど、巡査にやかましくいはれたので、裏町へ出て、駅で新聞読んで戻って来たのである。
畑のまん中にどうしたのか、コスモスがいたづらに咲いてゐる。赤いの、白いの、弱々しく、美しく、眺められる。
山頭火は志布志で46句詠んだ。
志布志で山頭火の句碑を意識して探したわけではなく偶然に見つけたのが、志布志駅前の句碑とこの三つの句碑である。どれも新しいので町おこしの一環として最近建てられたものであろう。
志布志には山頭火句碑が10基以上あるようだ。
   
(左)ダグリ岬の国民宿舎の駐車場わきにある。



(中)ダグリ岬遊園地の角にある。


(右)志布志駅前の道を南東へ行ったあたりにある。
志布志へ一里の秋の風ふく
こころしずかに山のおきふし
海は果てなく島が一つ

砂がぼこぼこ旅はさみしい
秋風の石を拾ふ

砂握れば砂のほろほろ


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