山頭火と歩く

宇佐

2018/1/23
PENTAX K-7

昭和4年(1929)、山頭火は九州西国観音巡礼の旅に出た。
九州西国観音霊場は北部九州に33か所あり、第1番は福岡県添田町英彦山にある霊泉寺、第33番は福岡県太宰府市の観世音寺である。
 関連サイト 九州西国霊場札所一覧

■清水寺
(せいすいじ)
山頭火が、大分県宇佐市にある第3番清水寺をおとずれたのは昭和4年(1929)11月20日だった。
師の荻原井泉水に送った書簡に、
「今朝中津を立って途中九州西国第二番長谷密寺、第三番清水寺に参拝、しみじみ閑寂の気分に浸ることができました。」とある。


清水寺山門。寺の創建は養老元年(717)とされている。


観音堂。御開帳の時期のみ拝観ができるようだ。


乳観音と乳滝。


乳観音の石碑。昭和3年、山頭火が参拝する1年前の建立。

                 
                 山頭火の石像。台座に句碑。 岩かげ まさしく 水が湧いてゐる


観音堂の奥にある石像。三十三霊場にちなんで造られたものであろうが、半分くらいが台座から落下していた。


宇佐神宮


昭和四年十一月二十四日 大分県宇佐にて 松垣昧々への書簡
 急にお寒くなりました。
 昨日は、四日市から当地まで来ました。神宮参拝、おのづから頭のさがるを覚えました。
 つゞいて大楽寺拝登。銀杏が美しく立つてゐたのが眼に残つてゐます。
 今日は高田へ出ます。第五番、第六番をうたなければなりませんから。・・・

昭和四年十一月二十六日 豊後赤根にて 荻原井泉水への書簡
 宇佐神宮は尊いところでありました、おのづから頭が下がりました。
 昨夜は山家に泊りまして、ひとりでしんみりしました。
 今日はしぐれる岩山を四つ越えました。
 両子寺、天念寺、椿堂、どれも岩山の景勝を占めてをります、このあたりは小耶馬渓とでもいひたい山間であります。・・・

山頭火の日記より(昭和13年)
 三月十七日 日本晴 宇佐
 一片の雲影もない快さ、朝湯朝酒のうれしさ。いよいよ出発。
 宇平さん、二丘さん、眛々さん、ありがたう、ありがたう、ありがたう。
 (中略)途中、二三杯ひつかける。歩けなくなって宇佐までバス、М屋という安宿に泊る。よい宿であった。深切なのが何よりうれしい。
 神宮に参拝して祈願した。神宮は修理中。宇佐風景、丘、白壁、そして宇佐飴を売る店。・・・


これらの記録から、山頭火は宇佐神宮に少なくとも2度立ち寄っている。


国道側の駐車場から鳥居をくぐって赤い橋を渡る手前に句碑がある。山頭火句碑の中で最大規模ではないだろうか。


松から朝日が赤い大鳥居 春霜にあとつけて詣でる


近くに、宇佐参宮線に使われていたクラウス26号が保存されている。

 
寄藻川(よりもがわ)に架かる屋根付きで朱塗りの呉橋。鎌倉時代以前の建立で、何度か改修されているようだ。


下宮近くの高倉。


上宮の境内から西大門を見る。


宇佐神宮上宮の本殿は、一之御殿、二之御殿、三之御殿から成る。


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