石仏セレクション

室生寺の軍荼利(ぐんだり)明王

奈良県室生村 1996/11/18

      石仏の本で室生寺の軍荼利明王を見て以来、いつかは、たずねてみたいと思っていた。

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sekibutu-murohji-b.jpg (176765 バイト)  1996年11月17日から3日間の奈良の旅は、天気に恵まれな
 かった。17日は橿原市内で宿泊し、翌日、室生寺へ向った。朝か
 ら氷雨が降っていた。

 朝早くて平日ということもあって、参拝者はまだいなかった。開門
 を待って中に入る。室生寺へは、1994年5月、シャクナゲの頃
 に一度来ているので、境内のことはよく分かっていた。

 五重塔を見上げた後、軍荼利明王を探した。軍荼利明王は杉木立を
 背にした大きな石の右寄りに刻まれていた。石は全体を苔でおおわ
 れ、その上に落ち葉が降り積もっていて、実にいい感じだった。

 石造の軍荼利明王はめずらしいという。像容は、一面八臂または四
 面四臂といわれているが、室生寺のものは、一面八臂で享保12年
 (1841)の造立である。どこか青面金剛に似ていて好ましい。

 軍荼利明王の前に三脚を立てて撮影していると、境内を掃除してい
 たおばさんが、「この前、この仏さんの写真を撮った人が、家に帰
 ってフィルムを現像したところ、仏さんが火を吹いていたので、あ
 わてて写真を返しにきた」と脅かされた。わたしの写真は、幸いに
 も、火を吹いていなかった。