四国札所の石仏
遍路道の道標と石仏(11) 志度寺、阿波大日寺龍光寺、十夜ヶ橋、泰山寺、雪蹊寺


sido.jpg (96239 バイト)志度寺の八十八体仏

 第八十六番札所志度寺は五重塔を持つ堂々たる寺院である。境
内を行く人たちはどことなくのんびりとしている。結願まであと
二ヶ寺という心のゆとりが、のどかな雰囲気を醸し出しているの
かもしれない。

 境内の隅に、大きく平らな石にたくさんの仏が刻まれたものが
あり、中央に「奉納四国八十八箇所光明真言一億萬遍」と書かれ
ている。四国札所の本尊を一石に刻んだ八十八体仏であった。

              『へんろ』2001年10月号


awadainiti.jpg (84243 バイト)陽だまりの参道

 第四番札所大日寺は大日如来を本尊としている。大日如来を本
尊としているのは四国八十八ヵ所中六ヵ寺、多いのは観音菩薩で
二十九ヵ寺、次いで薬師如来が二十三ヵ寺である。

 大日寺の山門からつづく参道の右手は土塀で、土塀が切れるあ
たりに百度石があり、それに背を向けるかのようにして地蔵がた
っている。おとずれたのは1月末、参道は冬のやわらかな陽射し
を受けていた。

              『へんろ』2001年11月号


ryoukouji.jpg (88181 バイト)龍光寺の石像

 第四十一番札所龍光寺は、第四十番札所から約五十キロ、かな
り長い道のりである。龍光寺は、「三間のお稲荷さん」と呼ばれ
ていて、稲荷社は、境内から石段をさらに登ったところにあり、
神仏分離前の形が残っている。

 本堂の前庭に石像が立っていた。やや前かがみに座り、目はつ
ぶっている。白い前掛けの上から赤い前掛けが重ねられていて、
白い前掛けには、びっしりと「め」の文字が書かれていた。

             『へんろ』2001年12月号


toyogahasi.jpg (69291 バイト)十夜ヶ橋の不動さん

 第四十三番札所明石寺から第四十四番札所大宝寺までは、約七
十キロで札所間の距離が二番目に長い。明石寺から約二十六キロ
の大洲市十夜ヶ橋は弘法大師の伝説が残る地で、国道五十六号線
のコンクリート橋の下が霊場になっている。

 橋の手前にお堂があり番外札所になっているが、境内の右手に
小さな不動明王像が立っていた。古い時代のものではなさそうだ
が、鬼の顔のようにも見え、ほほえましく思えた。

               『へんろ』2002年1月号


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泰山寺の道標

 第五十六番札所泰山寺は、今治市の中心部からややはずれた位
置にある。何度か参拝しているが、行く度に道を間違えてしまう。
泰山寺は丸い石で組まれた石垣の上に横一列にお堂が並んでいる。
瀬戸内の明るい陽射しを受けて、何となくのんびりとした気分に
させてくれる。

 石垣の前に「おくのゐんみち」とひらがなばかりで刻まれた道
標が立っていた。やや左に傾いているのが印象に残った。

              『へんろ』2002年2月号


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雪蹊寺の不動明王

 高知市にある第三十三番札所雪蹊寺は、好きな札所のひとつで
ある。門などがなく、道路と境内が一体化した感じで開放的であ
る。境内はがらんとしていて、イチョウの木の下には小さなお地
蔵さんが並んでいる。

 境内の一角に少し崩落した石仏を見つけた。不動明王であろう。
右手に剣を持っているように見えるが、その部分も欠けていては
っきりとは確認できない。

 あの不動さんはまだ健在だろうか。

              『へんろ』2002年3月号