四国札所の石仏

遍路道の道標と石仏(13)

 郷照寺 、極楽寺、仏木寺、禅師峰寺、仙遊寺 、大興寺

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郷照寺の三尊仏


 第七十八番札所郷照寺の大師堂横には、広場を取り囲むようにして石仏が立っている。どの石仏も美しい表情をしている。

 その中に三尊が刻まれた石仏があった。ほとんどが観音で、舟形の花崗岩に一体の仏が刻まれているが、この石には三体が細やかに刻まれている。

 三尊仏はほんのりとした明るさの中で背後から光を受けている。夕方で、光線状態の悪さが、かえって三尊仏をより美しく見せていた。

              『へんろ』2002年10月号



(かめ)と道標

 第二番札所極楽寺の鮮やかな朱色の仁王門をくぐると玉砂利の道で、まっすぐ進めば、本堂、大師堂へ、左へ進めば宿泊施設の客殿に達する。この二つの道にはさまれた所が庭園で、数基の道標が立っていた。道路工事の折に、境内へ移設されたものであろう。

 真念法師の道標もあるが、大きな甕の横に、細い線で描かれた道標が目に付いた。一ばん十丁、二ばん二丁の文字がとても美しい。

              『へんろ』2002年11月号





仏木寺の道祖神

 長い歴史を持つ四国札所には、時を刻んできた石仏ばかりでなく、新しく建造され、時を刻み始めた石仏もある。

 第四十二番札所仏木寺境内の中央には御影石の双体道祖神が建てられている。信州などで見かける双体道祖神とはかなり違った像容で、丸顔の子供がふたり座り込んでいる。

 この道祖神が長い間の風雨にさらされ、苔むした石仏に変わるころ、一体どんな世の中になっているだろうか。

               
『へんろ』2003年1月号


 



禅師峰寺の供養石仏

 四国札所では供養石仏をよく見かける。亡き人の霊をとむらうために、縁故の人が建てた石仏である。近隣の人たちのものであったり、遍路の途中で行き倒れになった人のものであったり、様々である。

 第三十二番札所禅師峰寺の参道にも、供養石仏が並んでいる。その中の一体は、右手に鉢を持ち左手に錫杖を持っている。じっと見ていると、不思議と気持ちが落ち着いてくる。

               『へんろ』2003年2月号




 



仙遊寺の観音石像

 第五十八番札所仙遊寺の境内には、西国三十三ヶ所観音石像が並んでいる。石像は舟形石、像容は四頭身くらいで、ちょっと漫画的な味わいがあってほほえましい。

 西国三十三ヶ所観音霊場の満願寺は、
岐阜県谷汲村の華厳寺で、三十三ヶ所のうち最も東にあり、本尊は十一面観音である。

 石像には三十三番美濃谷汲寺とだけ刻まれていて、観音の羽衣が観音を取り巻くように風になびいている。

               『へんろ』2003年3月号


 



大興寺のお地蔵さん

 第六十七番札所大興寺の門前には、二基の道標と並んで、門に向かって一体の地蔵がたっている。

 おへんろさんは、まず、このお地蔵さんに頭を下げてから門へ入ってゆく。

 道標は四角柱の上部に地蔵や大師像、下部に方角を示す手指、札所名、里程が刻まれている。このお地蔵さんも道標の一種であろう、台座に袖付きの手が刻まれていた。

 それにしても、立ち姿のなんと美しいお地蔵さんであろうか。
               『へんろ』2003年 4月号