四国札所の石仏
 遍路道の道標と石仏(2)
 大影道・切旛寺・郷照寺・禅師峰寺

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 大影の遍路道標

 八十八番大窪寺で八十八ヶ所を打ち終えたあと、十番切
幡寺から逆順に一番霊山寺へとお礼参りをする遍路が多い。
八十八番から十番へは国道377号で東へ、さらに県道2
号を南下するのが最短ルートである。

 県道に入ってまもなく、市場町大影の六地蔵前に美しい
自然石の道標が立っている。上部に大師像が刻まれ、左手
は八十八番、右手は十番を指差している。ここから十番ま
では12キロである。


             
『へんろ』1998年6月号
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 切幡寺の遍路丁石

 道標は、四角柱の石に、次の札所への方角を指で示し、
距離を里数・丁数で示していて、札所から遠距離の地に建
てられているものが多い。それに対して、丁石は札所の比
較的近くに建てられ、距離を丁数で示している。

 十番切幡寺の山門前には、舟形石に柔らかい線で仏像と
四丁という文字が刻まれた丁石が立っている。一丁は10
9メートルであるから、約400メートル。木漏れ日が降
り注ぐ330の石段を登ると本堂に着く。


             『へんろ』1998年7月号
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郷照寺の千手観音

 七十八番郷照寺は、宇多津の町並みを抜けた高台にある。
陽射しは明るく海も見えて、開放的な気分にさせてくれる。

 本堂より一段高いところに大師堂があり、大師堂の左手
は広場になっていて、広場を取り囲むように33観音が立
っている。

  墓標として造立されたものであるが、どの観音も彫りが
素晴らしく、やさしい表情をしている。その中で、美しい
千手観音に引き付けられた。面長で頬はふっくらとし、眼
は二重瞼である。


             
『へんろ』1998年8月号
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 禅師峰寺の遍路石仏

 三十二番禅師峰寺は、南国市郊外の高台にあって、地
元の人は、親しみをこめて峰寺(みねんじ)さんと呼ぶ。
境内からは、はるか桂浜が望まれる。

 本堂へ登る石段の前に、江戸中期に造立された供養仏
が並んでいる。200年以上の歳月を経て風化が進んで
いるが、背後からのやわらかな陽射しを受けて、地蔵菩
薩の表情はやさしい。

 1997年秋、この遍路石仏の前で、中年男性の歩き遍路
に出会った。菅笠の下からのぞいた眼は、穏やかで澄ん
でいた。
            
『へんろ』1998年9月号

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