美しき棚田★2001四国

 1998年8月に発行された佐野昌弘氏の『かやぶき民家の
 四季』に小田町宮ノ首の民家のモノクロ写真が掲載されてい
 る。茅葺きの民家が2軒、民家の下の斜面には小さな棚田が
 見える。1975年7月、26年前に撮影されたものである。
 この風景が、今どうなっているのか見てみたいと思った。

失 わ れ た 風 景

愛媛県小田町宮ノ首 2001.9.15撮影 CAMEDIA


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愛媛県上浮穴郡小田町宮ノ首 1975年7月

この画像は、佐野昌弘氏のご了解をいただき、写真集
よりスキャンしたものです。写真はページをまたがっ
て掲載されているため、右側に縦に線が入っています。

佐野昌弘氏の宮ノ首の写真には、以下のような文章が
付けられています。

  伊予の山はとてもけわしい山が多く、谷川から
 山頂までいっきに上がる斜面にはほとんど平地が
 ありません。

  わずかに見られる平地には、気の遠くなるよう
 な努力を思わせる小さな棚田がびっしりと造られ
 ています。

  その中に張りつくように建てられた民家は、裏
 山をけずり、わずかな平地をつくって建てたため、
 母屋、納屋、便所が横に一列に並んでいます。

  日本の農村の厳しい一面を見る思いがしました。

民家と棚田の間にあるのが県道で、県道は手前に続いていて、当時はさえぎるものがなく民家と棚田が見えた。今は、木が伸びて見通しが利かない。茅葺きはすでになく、棚田の上部は栗林になっていた。当時はずっと下まで棚田が続いていたと思うが、真ん中に栗林ができ、棚田は上下に分断されていた。

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上部の棚田を、写真集の写真の右の位置から
見る。棚田の後ろに、棚田を上下に分断して
いる栗林。

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上部の棚田を左側から見る。
棚田は黄金色の絨毯。
その日は、五十崎町泉谷の棚田を撮影し、県道伝いに小田町へ向かった。以前、河辺村の御幸橋をたずねた際に小田町へ抜けたことがあるが、町境の道は未舗装で狭かった。

五十崎からの道は比較的広く、小田町近くには2車線の大規模林道があって快適に走れた。大規模林道が尽きるあたりで河辺村からの道と合流し、坂道を少し下ると宮ノ首である。


木が伸びて視界が利かないため、写真集の場所は見つからなかった。雨模様のせいか人が通らない。やっと、元気にほえる犬を連れたおじいちゃんがやって来た。

写真集を見せると、「この写真はほんとに小田?」と言うほど、写真集の風景は失われてしまっていたが、昔の風景を思い出して、その場所を教えてくれた。小田町に入ってすぐの民家のあたりだった。

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下部の棚田はすでに稲刈りが終わっていた。
             

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