天主堂巡礼 黒島天主堂 長崎県佐世保市黒島町

   
 
煉瓦、石、木、瓦葺きのロマネスク様式の教会堂。

                       御心の聖堂

 九十九島最大の島「黒島」は、佐世保市郊外の相浦港から55分のところにある。黒島は、水島ともいわれるほど、豊富な湧水に恵まれた緑豊かな島であるが、人口は、昭和25年の2400人をピークに今は半減している。島民の70%がカトリック教徒で、大半が漁業によって生計を維持している。

 船が着く白馬港付近は島の中心であり、日本古来からの仏教との村というところから本村(ほんむら)といわれている。これに対して、カトリック教徒が住む丘陵地を新村(しんむら)といい、佐賀県の馬渡島(まだらしま)でも同様の例が見られる。

 その本村から急坂を上がって行くと、商店や学校のある新村の名切(なきり)十字路にさしかかる。十字路から東西へはさらに上り坂が続いているが、南は海に向かって下っていて、坂の途中に煉瓦の天主堂が見える。

 シスターへ挨拶をして、堂内に入る。高窓のステンドグラスの光が畳に映る光景を思い描いていたが、残念ながら長椅子に替わっていた。生活様式の変化にともない、畳敷きの聖堂は次第に減少し、天草の崎津、島根県の津和野、京都府の宮津を残すのみとなっている。

 主祭壇の床には、有田焼のタイルが張られ、ステンドグラスの光が影を落としている。天主堂の裏にまわると、司祭館へ上がる石段からは、祭壇上部の背面がよく見える。黒い瓦屋根と赤い煉瓦の円筒形アプス(後陣)が、青空を背景に見事な空間構成を見せてくれる。

 
黒い瓦屋根、赤い煉瓦の塔、そして青い空。



三廊式で中央の身廊は三層になった堂々たる教会堂。


ステンドグラスの影を映す有田焼きの床タイル。


高窓のステンドグラスの光が暗い堂内に射し込み、荘厳な雰囲気を醸し出す。

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天主堂巡礼]