西海の燈台 東九州の燈台 守江港・関埼・姫島・水の子島

           豊後水道の孤島

 豊後水道は大分県と愛媛県の間に横たわる海峡である。海流にもまれたアジやサバは、その味のよさで知られている。水の子島は海峡の中央部からやや大分寄りにあり、大きな岩礁の上に燈台が立っている。

 水の子島燈台の存在をはじめて知ったのは、鳥羽一郎が歌う演歌『男の港』の2番の歌詞だった。鶴御崎(つるみざき)にある歌碑には、「照らせ男のこの晴れ舞台、ありがとう水の子の燈台(あかり)、豊後鶴御崎、男の港」と刻まれている。

 水の子島へは定期船がなく、佐伯市や鶴見町から瀬渡し船に便乗するか、船をチャーターしなければならない。

 1995年8月7日、以前からの念願であった水の子島燈台の撮影が実現した。その日は、よく晴れてはいたが風がなく蒸し暑かった。鶴御崎から見ると、海峡には霧が漂っていた。

 マリンパーク有明に予約しておいたクルーザーは、コンパスの調子が悪く、燈台へ無事に着けるかどうか分からないと言う。船長の勘で目視で進むが、霧が深く、水の子島はなかなか見えない。30分くらい走ったであろうか、霧の彼方から、黒と白の縞模様の燈塔が見えてきた。

 燈台の周辺は霧がなく、海は鏡のように凪いでいた。船長の話によれば、こんなに波がないのは珍しいとのこと。幸運を喜びながら、群青の海に浮かんだ茶色の岩礁、その上に立つ石造りの美しい燈台の姿を満喫した。それにしても、このような絶海の孤島に、明治37年(1904)に、これほどの燈台を築いたことは驚異である。

 帰りは、鶴見半島とその北にある半島を見まちがい、途中で出会った漁船に方角を確認しながらのまわり道であったが、水の子島をたずねたあの暑い夏の日のことは、生涯忘れることはないだろう。

     

 todai-morie.jpg (49101 バイト) todai-mizunokoenbo.jpg (53381 バイト)
 煉瓦づくりの守江港燈標   宿毛から佐伯へ向かうフェリーからの水の子島遠望


 todai-sekizaki2.jpg (51994 バイト) todai-himesima.jpg (45829 バイト)
 豊後水道を行き交う船の安全を見守る関埼燈台   国東半島の沖合いに浮かぶ姫島の美しい燈台