寅さんが歩いた風景 第21作 寅次郎わが道をゆく

 さくらの中学時代の友人で、SKDの花形スター・紅奈々子(木の実ナナ)が、
とらやを訪ねて来た。奈々子の華やかな美しさに魅せられた寅さんの国際劇場通い
がはじまった。そんななか、九州から失恋男・留吉(武田鉄矢)が上京してきた。
留吉は、寅次郎が肥後の田の原(たのはる)温泉で知り合い、失恋の痛手を慰めて
やった青年だった。

 農業に専念するという留吉の新しい人生のスタートを祝って、寅さんは国際劇場
に案内した。舞台の絢爛たる美しさのトリコとなり、ラインダンスの踊り子に一目
惚れした留吉は、そのまま浅草にとどまり、トンカツ屋に就職。

 一方、寅さんは日々、奈々子への想いをつのらせていたが、奈々子には恋人がい
た。劇場の照明係(竜雷太)で、結婚して舞台を捨てるか、それとも舞台一筋に生
きるか、奈々子は悩みぬいて、その苦しい胸のうちを、さくらに告白した。

 奈々子が愛を選び、「夏の踊り」で最後の舞台をつとめる。その姿を、寅さんは
二階席から見つめていた。そのころ、留吉は、惚れたダンサーにプロポーズしたが
実らず九州へ帰っていく。

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    関連ホームページ 南小国のゆ 田の原(たのはる)温泉


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   阿蘇大観峰からの火口原の眺望、阿蘇5岳は雲の中。99/9/9


 
    例によってもめごとを起こして気まずくなり、寅さんは旅に出る。

     月見草の花が咲く阿蘇大観峰。寅さんは草地に座って、火口原の風景をぼんやりと見ている。

     わたしも寅さんのように気ままな旅がしたい、と思わせるようなシーンだった。


21-tujyun.jpg (189580 バイト)阿蘇大観峰から場面が変わって、通
潤橋がアップで映し出される。

映像がロングになると、寅さんが、
通潤橋の上を左から右へぶらぶらと
歩いて行く。


第21作は、小国から内牧にかけて
の、いわゆる阿蘇付近を中心にロケ
を行っている。

通潤橋は、阿蘇からかなり離れた位
置にあるが、山田監督は、通潤橋を、
寅さんが歩く風景の中に取り込みた
かったのであろう。


   日本の石橋文化の象徴・通潤橋 91/9/8


21-tanobaru.jpg (192460 バイト)南小国町の田の原温泉は、隣の黒川温
泉に比べて規模が小さく、民家の中に
温泉旅館がポツリとある、といった感
じ。

国道脇には、男はつらいよ21作のロ
ケ地の立派な看板が立てられていた。

    田の原温泉入り口、正面に大朗舘の看板が見える。99/9/9

21-tanoharu2.jpg (96307 バイト)竹田市の広瀬神社で運動靴をバイし
たのち、寅さんは、田の原温泉に現
れる。

寅さんが左手から橋を渡ってくると、
正面からこちらへ牛を追う女性に出
会う。

このシーンも、いかにも熊本らしい
感じであったが、今ではこのあたり
で牛を追う風景に出会うことはない
だろう。

    田の原川に架かる橋、正面方向に大朗舘がある。

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   大朗舘前景。左手の低い建物が共同浴場(99/9/9)         大朗舘の看板はロケ当時のもの。

    
寅さんが泊まった大朗館は建て替えられていたが、左手の共同浴場はロケ当時のままだった。旅館の先には、
    田の原川沿いに駐車場があり、その先に橋が架かっている。寅さんは、橋の上から、迎えに行った留吉の車
    から降てくるさくらに声をかける。さくらは、文無しの寅さんからの手紙を見て駆けつけてきたのである。


      拝啓、この間は俺が悪かった。
      九州の山奥で朝な夕な反省している。もう二度と柴又には
      帰らない。そうすればお前達に迷惑をかけずにすむからな。
      遠い旅の空から、俺は死ぬ日までお前達の幸せを祈り続け
      ている。
      あばよ。妹へ            寅次郎

      追伸 最後のめいわくだ。宿賃を貸してくれないか、頼む。


 
   田の原温泉へ行くには、久大本線の日田から212号線をバスで杖立温泉へ、杖立で乗り換え小国へ、小国
    で乗り換えて442号線沿いの県道を田の原へむかう。ただし、バスの接続が悪く、半日かかってしまう。

    映画では、さくらの横顔のむこうに松原ダムらしきものが映っていたし、留吉が出迎えたのは杖立温泉のよ
    うであったから、さくらも同じルートで来たのであろう。



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  寅さんが散歩の際に立ち寄ったのが、小国町の阿弥陀杉。
  この杉は樹齢1200年で、国の天然記念物に指定され
  ている。

  地元の青年留吉がここで恋人にふられる。留吉が泣いて
  いるところに、寅さんが通りかかる。そのときの寅さん
  の言葉が、留吉を勇気付ける。


 
   青年、女にふられたときは、じっと耐えて
    一言も口をきかず、だまって背中を見せて
    去るのが、男というものじゃないか。


  当時の阿弥陀杉は支柱がなくすっきりしていたが、今は
  四方を柱で支えてられていて、痛々しい感じがする。








豊肥本線内牧駅 09/10/25
寅さんは、迎えに来たさくらと一緒に柴又へ帰る。

留吉が自分の車で駅まで見送る。

その駅が豊肥本線の内牧駅。さくらは久大本線でやって来て、豊肥本線で帰ったことになる。


[寅さんが歩いた風景]