寅さんが歩いた風景
 
第27作 浪花の恋の寅次郎
広島県豊町(北堀) 01.9.17 CAMEDIA
広島県豊浜町(小野浦) 04.11.26 EOS20D
長崎県対馬(和多都美神社、厳原、万関橋、青海の里)
00.12 FinePix

大阪の神社で商売をしていた寅次郎は、瀬戸内海の小島で出会ったふみ(松坂慶子)と
再会した。島で会ったとき、ふみは地味な服装をしていたが、今は一見して芸者とわか
るあでやかないでたちだった。

ピクニック気分でお寺参りに出かけた日、ふみは生き別れになった弟がいることを寅次
郎に話す。寅次郎は、ためらうふみに弟に会いに行こうと誘う。弟の勤め先を探しだした
が、そこには弟の姿はなく、病気で他界していた。

その夜、寅次郎の宿泊先に酔ったふみがやってきた。切ない気持ちを寅次郎にいやして
もらいたかったのだ。寅次郎の膝に頭をのせて肩を震わせて泣くふみ。そのうち、ふみ
はそのまま寝入ってしまった。翌朝、ふみは置き手紙を残して姿を消していた。

数カ月後、柴又に帰った寅次郎が食卓を囲んで、″とらや″の面々に大阪での思い出話
をしているところへ、ふみが現われて寅次郎は仰天する。ふみは芸者をやめて結婚し、
長崎県の対馬で暮らすことになったことを寅次郎に報告に来たのだった。

それからしばらくして、寅次郎はふみの嫁ぎ先の対馬をたずねる。

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 ■和多都美(わだつみ)神社

   
冒頭の夢のシーン。竜宮城で乙姫様からもらった玉手箱を開けると煙が出る。煙は、寅さんを送ってきた
   亀にかかり、見る見るうちにおじいさんになってゆく。亀は「助けてくれぇー」ともがく。

   寅さんは、神社の手水鉢の前にあるベンチの上で目を覚ます。前を見ると、子供が亀をいじめている。
   寅さんは500円札で亀を買い、神社の前の小さな橋のあたりで、亀を海に放そうとして指をかまれる。

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    この手水鉢の前にベンチが置かれていた。 鳥居は新造され海近くに建てられていた。

 ■豊町・北堀

27-yutaka1.jpg (139002 バイト) 瀬戸内の島へ小さな船でやってきた寅さんは、港でワンピースを売る。

寅さんがワンピースを売っていたのが、大崎下島の豊町大長(おおちょう)の北堀。ここには、近くの島へみかん作りに通う船(農船)が停泊していた。ロケ当時はまだたくさんの農船があったと思われる。

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北堀には農船が数隻保存されていた。

 豊浜町・小野浦


小野浦の墓地からは木が伸びて視界がきかなくな
っていた。南の方角を見ると、ロケ当時にはなか
った豊浜大橋が見える。



墓地の少し下からは、映画に映し出されていた三
角島が見える。


墓参りを終えた寅さんとふみは、話をしながら
室原神社の石段を降りてくる。
その後、丘の上の墓地で、牛乳を飲みながらアンパンを食べているときに、墓参りにやってきたふみと知り合う。ふたりは差し障りのない身の上話をして、お互いの名前を告げ桟橋で別れる。

寅さんとふみが出会う丘の上の墓地、ふたりが別れる桟橋を探したが見つからなかった。旅から帰って2週間後、ロケ地は隣の豊島であることが分かった。それから約3年、ようやくロケ地に立つことができた。


寅さんは地蔵の横でアンパンを食べるが、
その地蔵はお堂の中に安置されていた。


桟橋のシーンが撮影されたであろう場所。

ロケ当時はここに桟橋があったのかもしれ
ないが、現在、旅客船は隣の大崎下島の立
花港に一元化されている。

桟橋で別れるときの寅さんとふみの会話。
会話のバックには、ボサノバにアレンジされた「ふみのテーマ」が流れている

 ふみ 「お兄さん、名前なんて言うの」
 寅さん「あ、そうそう、オレな、東京は葛飾柴又の車寅次郎って言うんだ。人は寅と呼ぶよ」
 ふみ 「寅さんね」
 寅さん「そう、えへへへ。娘さん、あんたの名前なんて言うんだい」
 ふみ 「浜田ふみ」
 寅さん「おお、じゃ、おふみさんか」

 ■厳原・浜田橋付近

27-hamadabasi.jpg (65427 バイト)ふみの結婚相手のまことが対馬で開いたすし屋は「海八」、
厳原の浜田橋付近にある。映画では「對馬醤油」の看板が
はっきりと映し出されていたが、その隣が「海八」。

映画では和風の外観であったが、行って見ると、コンクリ
ート造りの建物であった。左隣の建物は、当時は「?スト
アー」という看板が見えたが、今は「鳥八食堂」という店
になっていた。「海八」と「鳥八」、どちらも「八」が付
いているのは偶然だろうか。

 ■万関橋(まんぜきばし)

27-manzekibasi.jpg (90839 バイト)寅さんが実家の方へ来ているという電話を
受けて、まこととふみは車で実家へ向かう。
そのときに通るのが万関橋。

現代の橋は3代目。ロケ当時の1981年は、
2代目の橋でアーチ橋であった。

 ■青海(おうみ)の里

    まことの実家があるのが「青海の里」。寅さんが門の敷居に腰掛けて待っていた。ふみは、
        涙を浮かべながら寅さんがたずねてきてくれたことを喜ぶ。

    映画は、県道から見た「青海の里」のふかんで終わる。当時は、山越えのこの県道が唯一
        のルートであったが、今はトンネルができていて難なく行けるようになった。

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ふみを演じた松坂慶子は、第46作寅次郎の縁談でもマドンナを演じている。
第27作の松坂慶子は29歳、細身の着物姿はほんとうにきれいだった。寅さんでなくても惚れてしまう。
柴又へ帰ってきた寅さんは、くるまやの面々に、ふみのことを次のように話している。

 抜けるような白い肌。それが嬉しい時なんかパーッと桜色に染まるんだよ。
 悲しい時は透き通るような青白い色。黒いほつれ毛がふたすじみすじ、黒い瞳に涙を一杯ためて、
 「寅さん、ウチ、あんたの膝で泣いてもえ〜え」
 可哀想だったなぁ、あん時のおふみさんは。


[寅さんが歩いた風景]