寅さんが歩いた風景 45作 寅次郎の青春 99/12/10取材

 旅する寅さんは宮崎県の油津に足をとめ、堀川橋のそばで理髪店を経営する蝶子
(風吹ジユン)と知り合い、イソウロウ生活を始めていた。

 一方、寅さんの故郷・柴又では、東京のレコード店に就職した泉(後藤久美子)
が、週末には満男の家に遊びに来て、さながら家族のょうに過ごしていた。泉は、
宮崎で結婚する高校時代の友人の披露宴に出席するという。

 友人の結婚式に出席した泉は、飫肥城址で寅さんと再会する。折しもそこに蝶子
が通りかかり、あわてた寅さんはころんで足をくじく。寅さんのけがは、泉からく
るまやに伝えられる。満男は様子を見に行くことを口実に、泉に会いに宮崎へ飛ぶ。

 寅さんのけがもほぼ回復し満男と泉が帰ることになるが、寅さんも一緒に帰ると
言いだした。すると、蝶子が怒りだした。蝶子は寅さんが好きだったのだ。だが、
寅さんは蝶子を残して柴又に帰って行った。

 それから間もなく、泉の母が入院し、泉は名古屋に帰ることになった。東京駅ま
で見送った満男は泉を励まして別れた。

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    ゴクミシリーズ第4弾、泉は高校を卒業し東京のレコード店に勤務している。
    いい雰囲気の町・油津での寅さんと蝶子との出会いが実に見事。

    風吹ジユンは当時47歳、若々しくてとても色っぽかった。

45-aosima1.jpg (111988 バイト)タイトルバック。宮崎県青島のビロウ樹の下で冒頭
の夢から覚めた寅さんは、青島神社の赤い鳥居のそ
ばで、ポンシュウと一緒にバイする。

寅さんは貯金箱、ポンシュウはビニールボール。そ
こへ警官が現れ、ここで商売をしてはいけないと注
意される。

品物をダンボール箱に入れて戻る途中、青島と岸と
を結ぶ弥生橋の上で、バスガイドに見とれてつまず
き、ボールがこぼれて橋の上を飛び跳ねる。



     青島をおとずれたのは3回目。
     最初は1974年の日南線SL撮影の時、次が1993年の灯台撮影の時、そして今回1999年。
   青島にはビロウ樹が3000本あり、鬼の洗濯岩といわれる波状岩で囲まれている。


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    次に寅さんが現れたのは、日南市油津・堀川橋のたもとの喫茶店いづや。ここで、近所で理髪店をやっ
    ている蝶子と出会う。

    寅さんは蝶子に昼食をおごるが、あとになってお金がほとんどないことに気付き、堀川橋の上で思案し
    ていると蝶子が通りかかる。そして、「散髪して行かんね、だーいぶのびちょるが」と誘われる。

    蝶子の理髪店。ラジカセから静かな音楽が流れ、うすいピンクの理髪服を来た蝶子が、寅さんの顔を剃
    るシーンがよかった。

45-horikawa.jpg (200926 バイト)第45作のメインロケ地
堀川運河


右手から

・白い建物が、寅さんと蝶子
 が出会う喫茶店いづや

・石造りの堀川橋

・窓が上下4ヶ所ある家が、
 寅さんがイソウロウする理
 髪店・蝶子の家

・左端の川へおりる石段で、
 蝶子が弟を見送る

    

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右手が「いづや」、外観は美しく改装されていた。 寅さんが満男に手を振るのが窓が4ヶ所ある家
のれんがかかっていなかったし、喫茶店もやって  の右上の窓。ロケ当時は手前に瓦屋根の民家が
いなかったが、今も食べ物屋のようだった。    あった。1903年建造の堀川橋には、登録文
正面は吾平津神社。               化財の緑色のプレートが貼られていた。

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祭りの翌朝、まだ夜が明けやらぬ頃、迎え   吾平津神社前のロケ記念のプレート。
にきた船で出かける弟を、蝶子はここで見送る。

45-obi1.jpg (104173 バイト)蝶子と一緒に観光に来た寅さんと、宮崎で高校時代の
友人の結婚式に出席した泉が飫肥城址で偶然に再会する。

石段で寅さんが足を痛めるシーンがおかしかった。

飫肥は、16世紀から明治初期まで続いた伊東氏5万1
千石の城下町、日南の小京都と言われる美しい町。日南
線飫肥駅から徒歩20分のところに飫肥城址がある。
        
寅さんは蝶子の車で飫肥へ来たようであるが、泉は日南
線でやってくる。泉が乗る列車の窓越しに、北郷辺りの
飫肥杉が映し出されていた。
   飫肥城大手門への道。大手門は昭和53年、樹齢100年の飫肥杉を使って復元された。

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   【左】大手門を入ってすぐの石段【右】石段を上から見たところ。
   寅さんと泉が出会い、寅さんが石段の中央付近で足をくじく。
   寅さんがころんだ辺りに実際に立って見ると、何ともやるせない気持ちになる。

   
寅さんがけがをしたという知らせを受けて、東京から満男がやってくる。
   泉に会うことが満男の目的だった。


    
   宮崎空港で行き違いになり、空港バスに追いつくのがこのドライブイン前。
   今は、「道の駅」として使用されている。

   満男と泉が東京へ帰るという日、蝶子と寅さんの4人で、石波海岸に出かける。
   海岸のすぐ近くには、野生の猿が生息する幸島(こうじま)が見える。

   波打ち際でたわむれる満男と泉をぼんやり眺めながら、蝶子と寅さんは「港が見える丘」を歌う。
   あなたと二人で来た丘は 港が見える丘
   色褪せた桜唯一つ 淋しく咲いていた


   
     【左】蝶子と寅さんが座っていたところ。ロケ当時は石がごろごろしていたが、きれいな石組みになっていた。
   【右】石波海岸の砂浜。右手に見えるのが幸島。

   
寅さんが満男たちといっしょに帰ると言うと、蝶子の機嫌が悪くなった。

子  なんだ、かえっとね?
    だったらなんでもっとはよう言わんとね?
    朝ごはん食べてる時とか?


寅さん うん・・おれもなんだかちょっと言いにくくってなあ〜

蝶子  どうして!?

寅さん ほら、みんな帰っちゃうと、
    あんた一人っきりになっちゃうだろう?
    なんだか気の毒で。

蝶子  あ、そうね、同情してくれたつね?どうもありがとう。
    あん店であたし一人で暮らすんじゃ、さぞ寂しいだろう
    そう思ったつね?
    私がそんな可哀想な女に見える?


寅さん ・・・・

蝶子  大きなお世話よ。
    一文無しのあんたが今晩どこに帰るんだろうって、同情してあげたのは私の方よ。
    帰んなさい! 勝手に帰ればいいわ!
    私は手間がはぶけて清々するわ!

      

■■■ 日南の風物 ■■■

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フェニックスとつわぶき

ムラサキランタナの花

飫肥八幡神社のクス

ハイビスカスと幸島


[寅さんが歩いた風景]