寅さんが歩いた風景 46作寅次郎の縁談(1/3) 栃木県烏山町、香川県詫間町志々島(ししじま)


 大学卒業を控えた満男は、就職試験に悪戦苦闘。さくらと博は腫れものにでもさ
わるかのようにしていたが、それがさらに満男を苛立たせ、満男は逃げるように家
出。行きあたりばったりに高松行きの寝台特急に乗ってしまう。

 満男が家を出て一週間後、寅さんが旅から帰ってくる。寅さんは、満男が送って
きた土産の住所をたよりに香川県琴島へと向かい、満男を探し出す。

 満男は島での暮らしに満足しているうえに、看護婦の亜矢(城山美佳子)にほの
かな恋心を抱いていた。寅さんは、満男が世話になっている田宮家に泊まることに
なり、当主(島田正吾)の娘・葉子(松坂慶子)に一目惚れしてしまう。

 葉子は神戸で料理屋をやっていたが、借金をつくり体をこわして島に戻ってきた
という。やさしく勇気づける寅さんに、葉子はぬくもりを感じるようになっていた。

 葉子は、満男の、寅さんが好きかとの問いに静かにうなずいた。葉子の反応に満
男はびつくりしたが、結局、寅さんは葉子の愛を受け入れることができずに、満男
とともに島を出る。柴又に帰った満男は就職活動を再開する。
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       旅というのはな、行く先を決めてから出かけるもんじゃねえんだよ。
       汽車の窓からのんびり外を見ている。おだやかな瀬戸内海。緑の島。
       あー、行ってみたいな。傷ついた満男はふらり駅に降りる。


       日の暮れる浜辺にたたずみ、沈む夕陽を見つめる満男。ボォー、遠くを行く連絡船。
       ドォドォドォドォドォドォザブーン、寄せては返す波の音。
       瀬戸の夕焼けってのは、そりゃきれいだからね、おばちゃん。

     この映画で、雨の降るなか、西田敏行扮する浜ちゃん(釣りバカ日誌)が、「全然だめ」と言いながら
     とらやの前を通りすぎてゆくシーンがあった。これは、山田監督の遊び心だったのだろうか、それとも
     西田敏行さんの希望だったのだろうか。


 ■栃木県烏山町 02.9.22

冒頭のシーン。ポンシュウとバスを待つ寅さんが花嫁行列と出くわす。寅さんは、花嫁さんに「きれいだよ」と声をかける。

タイトルバックに入り、国の重要無形民俗文化財に指定されている烏山町の山あげ祭のシーンが映し出され、石造りの建物の前で寅さんとポンシュウがバイをしている。寅さんは運勢占い、ポンシュウは怪獣おもちゃ。

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バス停と設定された付近から花嫁さんが出てくる民家を見る。ロケ地の畑中にはバス停は存在しない。

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栃木県では大谷石の建築物をあちこちで見かけた。この建物は「中央」という交差点にあった。


 ■志々島港

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   家出した満男を探しに琴島へやって来た寅さんが、マフラーを風になびかせながらさっそうとこの港に降り立つ。
   満男が東京に帰るときに、看護婦の亜矢とつらい別れをする港でもある。


   映画では琴島ということになっていたが、ロケは志々島と高見島で行われた。志々島では船は桟橋の左側に着く
   が、映画では光線状態を考慮して右側に着けていた。

   おとずれたときは、菊などの花の出荷の時期で、農家の人たちが連絡船に花を積みこんでいた。島の人口は約4
   0人、学校はなく、子供や若い人には出会わなかった。


 ■志々島海岸通り

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    船から降りた寅さんは海岸を左へ向う。反対側からきた満男と出会い、話をするのがこのあたり。寅さんは、右
    手の階段に腰掛ける。この階段の前に、木彫りの立派な記念碑があった。


       寅さん 両親の心配をよそに、この孤島でかわいい娘さんと歌をうたっていたかぁ。さぞ
           かし気分が晴れただろうな。さ、支度しておじさんと一緒に柴又へ帰ろう。

       満男  朝4時くらいに起きて漁に出たりするんだ。この新鮮な空気を吸いながら一日中
           働いているとね、おじさん、あぁ、俺は今生きてんだなって、そんな気持ちが心
           の底から湧いて来るんだよ。


    港のトイレに入った。トイレはきれいだった。入口に貼られたベニヤ板には、次のように書かれていた。

       このトイレは皆んなで使用するものです。後から来る方が、気持ちよく使用できる様に
       いつもきれいにしましよう。もしも壁に落書きをしたい方は、下の黒板に思いっきり書
       いて下さい。いつまでもきれいに使えるトイレの為に、皆様方の御協力を御願いします。



 ■志々島段々畑

46-sisijima-hatake.jpg (194549 バイト)漁から帰って来た満男は、畑仕事を手伝
う。仕事は、花が倒れないようにロープ
を張るものである。

そのとき、看護婦の亜矢が通りがかり、
満男は仕事の手を休める。


志々島の花の時期は真冬である。ロケが
行われたのは秋、まだ花はなかった。

この段々畑からは、瀬戸大橋が見える。
思わず、『瀬戸の花嫁』の一節を口ずさ
んでしまった。


  段々畑とさよならするのよ。
  幼い弟、行くなと泣いた。



 ■志々島診療所

46-sisijima-sinryo.jpg (123197 バイト)看護婦の亜矢は連絡船でやって来る。亜矢が勤めるの
が、この診療所。

ここを通りかかった満男に、窓から顔をだした亜矢が、
一緒に昼ご飯を食べようと声をかける。


この道を少し進むと、島の墓地に出る。墓は石ではな
く、木の祠である。通りががりのおじいちゃんに聞く
と、以前は土葬だったとのこと。

診療所の手前を左に曲り、坂道を登って行くと、島で
ただひとつの寺・利益院に達する。さらに進むと見晴
らしのいい尾根に出る。そこから少し下ると、志々島
の大クスがある。

    
志々島診療所には医師は常駐していない。隣の粟島の診療所の塩月健次郎医師が、
    毎週木曜日に連絡船で出張診療に来る。



■■■ 志々島ウォッチング ■■■

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古い造りの公民館

島のお墓

志々島の大クス

瀬戸大橋が見える海岸