寅さんが歩いた風景
  
第9作 柴又慕情 福井県東尋坊、越前松島、京福電鉄東古市駅 01.6.3取材 CAMEDIA E-100RS

寅さんが柴又に帰ってみると、自分の部屋が貸しに出されていた。怒ったた寅さん
は、家を出て部屋を借りると言い不動産屋へ行く。そこで紹介されたのが何と自分
の部屋。不動産屋と手数料のことでもめ、例によって大騒ぎとなり、さくらを泣か
せてしまい、寅さんはまた旅に出る。

寅さんは、福井で旅行中の3人娘と田楽屋で知り合い、意気投合して、いっしょに
旅をする。そして、そのうちのひとり、歌子(吉永小百合)に心引かれる。

柴又へ帰ってきた寅さんのところへ、旅先で知り合った娘たちがたずねてくるが、
歌子はいっしょではなかった。

しばらくして、歌子がたずねてきた。寅さんは有頂天。歌子は父・修吉(宮口精二)
と二人暮し。結婚したいと思っている青年がいるが、父親は、結婚には同意せず、
歌子の話に耳をかそうとはしなかった。

やがて、歌子は結婚を決意し、そのことを寅さんに告げる。傷心の寅さんは、また
旅に出る。

9-post.jpg (61314 バイト)


2001年2月14日の福井新聞朝刊には、ふくいシネマ散歩「男はつらいよ・柴又慕情」が掲載されていた。
サブタイトルには、美しい日本の原風景、アンノン族の旅と書かれている。この映画が製作された1972年
は、国鉄の「DISCOVERJAPAN」のキャンペーン中で、旅行ブームだった。振り返って見ると、この頃、蒸気機
関車が次々と姿を消していて、蒸気機関車を求めてよく旅をしたものである。

福井新聞の記事の中に、山田洋次監督へのインタビューがあるので、抜粋してみよう。

「若い娘たちが何人か連れ立って、日本の古い町を巡って歩く。そんな旅がはやり始めました。小百合さんを、
そんな娘の一人と考え、福井にロケの主力を置くことに決めたんです」

「福井県の景色がこれ以上変わってほしくない。木の枝、石ころ1個も動かしてほしくない。ロケをしていて
強く感じました。9作目は、シリーズの中でも若々しくて、弾むような躍動感あふれる作品になったと思って
います」


ロケから約30年たったが、東尋坊や越前松島の風景は昔と同じように美しく、山田監督が願ったように、そ
の美しさは保たれているように見えた。

 ■東尋坊

   9-toujinbou1.jpg (103940 バイト) 9-toujinbou2.jpg (113180 バイト)
   寅さんと3人娘が遊んだ東尋坊の岩場    岩の間に咲いた昼顔の花。

   訪れたときは日曜日、さすがは北陸を代表する観光地、大勢の人でにぎわっていた。


 ■越前松島

   9-etizen-matusima1.jpg (123484 バイト)   9-etizen-matusima2.jpg (108074 バイト)
   3人娘が笑い転げた越前松島の松林。    海とさまざまな形の岩が織り成す美しい風景。
   ここは、人影まばらで静かだった。


 ■京福電鉄東古市駅

   9-higasifuruiti1.jpg (98040 バイト) 9-higasifuruiti2.jpg (73468 バイト) 9-higasifuruiti3.jpg (72514 バイト)
   寅さんが3人を見送った東古市駅。 福井行きの電車が入る2番ホーム。 木造の美しい駅舎。

  寅さんと3人娘が出会う田楽屋の建物は京福電鉄永平寺線の京善駅前にあったとのことであるが、今は
    取り壊されて跡形もなかった。
    東古市駅での別れシーンは夜だったので、駅の状況がよく分からなかったが、ロケ当時とほとんど変わ
    っていないのではないだろうか。

  ちなみに、映画に登場した車両は、ボデハ18という型式の車両。
    今は塗装色も変わって恐竜のイラストが描かれたりしているので、どれがボデハ18なのか判断が付かない。
    それにしても、東古市の駅舎は美しい。大正3年(1914)の開業当時のもので、大正モダニズムあふれる駅舎。