| 四国札所の石仏 遍路道の道標と石仏(7) 大興寺道・仙遊寺・極楽寺・讃岐国分寺 |
大興寺道の石仏
遍路道には様々な道がある。海沿いの道、野中の道、山
越えの道、里の道など、道それぞれに趣がある。
第六十六番札所雲辺寺から第六十七番札所大興寺への遍
路道は、海抜約九百メートルの山から里へと一気に下る道
である。鳥の声を聞き、野の花をながめながらのんびりと
歩ける遍路道である。この遍路道は大興寺の裏手で終わる
が、大興寺近くでは、色々な石仏に出会える。
秋も深まりつつある頃、大興寺近くの遍路道沿いの墓所
の前で、形のよい自然石に刻まれたきれいな石仏に出会っ
た。上部に梵字、中央を丸くえぐった中に大師像が浮き彫
りにされていた。
『へんろ』2000年2月号
仙遊寺供養仏
第五十八番札所仙遊寺は、今治市の西部、玉川町の標高
約三四○メートルの山の上にある。ここまで来ると、四国
札所のちょうど三分の二を打ち終えたことになる。
仙遊寺への車道は有料で、料金は納経所で支払う。この
車道のところどころに、石仏や道標が立っている。
境内への入口付近左手には、タオルの無人販売所があり、
右手にはたくさんの石仏が何段にもわたって並んでいる。
舟形石の中央に地蔵などが浮き彫りにされ、左右に供養文
が刻まれている。
仙遊寺では十五年くらい前まで電気が通じていなかった。
しかし、いち早くインターネットのホームページを開設し
たのは仙遊寺であった。
『へんろ』2000年3月号
阿波の遍路道標
第ニ番札所極楽寺は、第一番札所霊山寺より徒歩で20
分ほどのところにある。霊山寺のしぶい色の仁王門とは打
って変わって、朱塗りの仁王門が出迎えてくれる。
仁王門を入ると、右手に白い砂利の参道が続く。参道の
左手は、心なごむ庭園になっている。この庭園は、極楽を
表現したものであるという。
庭園の中に古い道標が立っていた。仁王門前に立ってい
たものを、庭園内に移築したものである。最上部に方角を
さす指が、その下に大師像が浮き彫りにされている。
本堂の近くには、大師お手植えと伝えられる樹齢千二百
年の長命杉が立っていて、寺域にいい雰囲気を醸し出して
いる。
『へんろ』2000年4月号
鶴が翔ぶ石仏
四国八十八寺の中で、そのたたずまいが好まく思える寺
のひとつが、第八十番札所国分寺である。国分寺は、香川
県国分寺町にあり、讃岐国分寺跡として特別史跡に指定さ
れている。
仁王門を入ると、本堂までまっすぐに参道がのびている。
本堂は鎌倉期に再建されたもので、本堂付近には、金堂や
塔の礎石が残っている。
参道の両側には八十八ヶ所石仏が並んでいる。いつの時
代に造立されたものか定かではないが、どの石仏も彫りが
個性的で美しい。その中で、第二十番札所鶴林寺の石仏が
目に付いた。雲に乗った地蔵菩薩の頭上を鶴が翔んでいて、
物語性がある。
『へんろ』2000年5月号
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